AIの動作環境、「サーバ」採用が約30% 調査で見えた、GPUサーバが役立つ訳 導入・更改時の懸念を払うには?

» 2022年09月14日 10時00分 公開
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 近年、AIは企業の課題を解決する実用的な手段になり、本格的にAI技術を活用したサービスの導入を検討する企業も増えた。一方で、精度に対する懸念や自社で成果を上げられるかという不安、AIを動かすITインフラの選定や準備に悩むといった声も聞こえてくる。

 特にITインフラは、AIの性能を左右するだけに重要な要素だ。パブリッククラウドが普及したことで、クラウド上で稼働するAIサービスも登場している。しかし、自社の用途に合わせた処理能力や速度、情報セキュリティを確保するならGPUサーバが強みを発揮する。

 では、企業に適したAIのビジネス活用の姿はどのようなものか。それを知るためにアイティメディアは、デル・テクノロジーズと共同で読者向けのアンケート調査を実施した。実際の課題感やAI技術の活用方法を基に、AI導入時の課題を解決する方法を考えていく。

AIの用途は外観検査や売上予測など 研究開発以外にも広がっている

 実施したアンケート調査は「AI用途でのサーバ利用実態調査」「製造業DXに向けたITインフラに関する調査」の2つだ。設問はどちらも共通しており、回答数は両者の合計で269件だった(調査期間は2021年12月13日〜2022年6月14日)。

 回答者の属性を見ると、大企業(従業員数1000人以上)に所属する人からの回答は全体の約48%、中小企業(従業員数1000人未満)に所属する人からの回答は全体の約52%で、どちらかに偏ることのない回答を得た。

photo 回答者の属性(クリックで拡大)

 回答者のうち、勤務先でGPUサーバやクラウド、ワークステーション上でAIを使っていると答えたのは全体の約73%だった。用途を聞くと「研究開発」が約35%で最多、次いで「外観検査」が約21%、「在庫管理・部材調達」「装置の予兆保全」が共に約14%という結果になった。

 AIの用途で「その他」(約25%)と答えた人からは、手書き文字の認識や売上予測、配車や人員配置の最適化シミュレーションといった使い方が挙がった。

 この結果から、AI技術を研究開発だけではなく、現場に導入して業務の効率化や省人化に役立てようという取り組みが進んでいると分かる。さらにAI技術を基にしたサービスを使っていると答えた人の所属部署を確認すると、事業部や経営企画部、カスタマーサクセス部など非IT部門が多数あった。AIの活用が企業の部署や用途にかかわらず広がっているといえそうだ。

photo AIの用途(クリックで拡大)

AI用のコンピューティング環境 「サーバ」と答えた人が約30%

 アンケート調査から、AIの活用がさまざまな用途に広がっていると分かる。では、どのような環境でAI技術を使っているのだろうか。アンケート調査で「AI用途に使用しているコンピューティング環境」を複数選択式で聞くと、「ノートブックPC」「デスクトップPC」を合わせたPC環境が約37%、「ワークステーション」が11%、「パブリッククラウド」が14%、そして約30%が「サーバ」と答えた。

 サーバと答えた人の内訳を見ると「GPU搭載ラック型サーバ」が10%、「GPU搭載タワー型サーバ」が8%で合わせて18%がGPUサーバを採用していた。またサーバを使っていると答えた人の約6割がGPUを活用していると分かった。

photo AI用途のコンピューティング環境(クリックで拡大)

 なおこの結果は、AI用途でのサーバ利用実態調査で聞いた内容なので若干の偏りはあると推測できる。それでもサーバは、AI技術を使う上で一定の支持を集めている。市場に目を向けてみると、AIベンダーやハードウェアベンダーがサーバ用の本格的なGPU「NVIDIA A40」などを搭載したタワー型サーバを発表する動きも加速している。

 実際、アンケート調査の自由記述欄では「メーカー側でGPUを組み込んだ製品のリリースがあり、組み込みが楽になっている」という回答があった。AI技術を導入する際、GPUサーバはユーザーのニーズでもあるようだ。

GPUサーバは、企業のAI活用にどう役立つ?

 ではGPUサーバは、企業のAI活用にどう役立つのか。アンケート調査では「GPU搭載タワー型サーバをどう活用できると考えるか」という設問を、すでにAI用途でGPUサーバを使っている人に自由記述で聞いた。すると「研究開発時に使うAIモデルの構築」「需要予測のモデリング」「計算時間のかかるAIモデルの学習」「自動運転の画像認識」といった答えが返ってきた。GPU搭載タワー型サーバに限った設問ではあるが、参考になる情報だ。

 またGPU搭載タワー型サーバを選ぶメリットについての考えでは「簡単に設置できるタワー型はPoC的な導入に適している」「GPUとのデータのやりとりをスムーズにできるのでAI利用に有利」「ラックなどの設置場所を用意しなくてもいい」「必要なときだけ使うという選択肢がある」「工場など現場での設置に向いている」といった意見が挙がった。エッジ環境で使うにはうってつけというわけだ。

photo GPU搭載タワー型サーバの活用例に関する回答(クリックで拡大)

AI活用を進めたいユーザーが、GPUサーバに求めること

 AIを活用するシーンでタワー型を含むGPUサーバを使うメリットは理解できた。では導入を検討する際に注目するポイントはどこか、実際にGPUサーバを使っている人に「求める要件」を複数選択式で聞いた。

 すると「コストが安い」と答えた人が全体の約57%で最多だった。次点では「高可用性・高信頼性」(約28%)、「サポート体制が良い」(約23%)、「仮想化対応」(約21%)が上位に挙がった。

photo AI用途のGPUサーバに求める要件(クリックで拡大)

 中でも仮想化対応を求める声がある点にフォーカスしたい。GPUを仮想化すれば限られたリソースを有効に活用できるため、近年注目が集まっている。AI向けGPUサーバの中にも仮想化対応のソリューションが登場しており、今後重要な要件になっていくだろう。

 なおアンケート調査で仮想GPU(vGPU)への興味を尋ねると「興味がある」と答えたのは全体の約35%で、「興味がない」(約29%)を約6ポイント上回った。残りの約35%は「詳細が不明なので分からない」と答えている。AI用途のvGPU活用に関しては、こちらの記事で活用事例を紹介しているので参考にしてほしい。

AI活用の課題 「精度の検証が難しい」「スキルを持つ人材不足」

 ここまでAIのビジネス活用における使い方とITインフラの両面について、アンケート調査の結果を見てきた。メリットを強調してきたが、いざAIの導入やITインフラの更改を進める際には課題もある。

 アンケート調査では「自社だけでは精度の検証が難しい」「AIの品質保証が確立されていない」「どの程度の規模のシステムが必要か判断できない」「効果に確証を持てず予算確保に苦労する」といった課題を、すでにAI用途でサーバを使っている人が自由記述で答えている。

 またインフラ面では「スケーラビリティの問題」という意見が複数寄せられた。さらに「AIを理解しているプログラマーが不足している」「専門知識やスキルを持った人材の不足」「AIに関するソフトウェアが充実したことでユーザーの負担が増えた」といった組織のリソースに関する課題も多数あった。

いざAI活用へ 「AIの効果に確証を持てない」という悩みの解決方法

 いざAIを活用しようと動き出しても、さまざまな課題があるのでスムーズに取り組めるとは限らない。特に「AIの導入における効果に確証を持てない」といった課題がある場合、決定権を持つ役職者層や経営陣の理解を得られずAI活用が頓挫する可能性もある。

無料の“AI専門施設”「AI Experience Zone」で課題を解決

 そこで紹介したいのが、デル・テクノロジーズが運営する“AI専門施設”の「AI Experience Zone」(AIエクスペリエンスゾーン、千代田区大手町)だ。ここはAI活用に向けたITインフラの導入や既存のIT環境のアップデートを検討している担当者や、AI技術を活用したソリューション開発に取り組んでいる企業など、AIのビジネス活用を考えている人に向けた施設になっている。

 このAI Experience Zoneは無料で使える。ここではNVIDIAの先進GPUを搭載したサーバなどを使ってAIの挙動や精度を事前検証できる。その他にHPC、データアナリティクスなど管理ツール「Omnia」、AIおよびデータ分析ソフトウェアの「NVIDIA AI Enterprise」を活用した検証も可能だ。AIの具体的な動作を体験することで、活用を後押しするという考えに基づいた施設になっている。

 デル・テクノロジーズの「AIスペシャリスト」など専門家が、GPUサーバの検証をアシストしてくれる他、自社でAI技術を導入する際の課題の抽出と解決策についてアドバイスを受けられる。そのため、高度な専門知識がなくてもAIの効果を確認できる。

深い知識がなくても高度な予測モデルを作成 AI Experience Zoneで使えるAIソリューション

 AI Experience Zoneに寄せられる要望は、GPUサーバやAIの事前検証だけでなく、本格導入の前に予測モデルを作ってみたいというものもある。そこでデル・テクノロジーズは、深い知識がなくても高度な予測モデルを作れるソリューションをAI Experience Zoneに多数用意している。

 その一つが米H2O.ai社の自動機械学習プラットフォーム「H2O Driverless AI」だ。これは、入力したデータセット内のデータの関係性を可視化する機能や特徴量を自動計算する機能を備えている。さらに出力した予測モデルの根拠を説明できるため、AIの精度や効果を知るのに適している。

デル・テクノロジーズが後押しする、AIのビジネス活用

 AI技術のビジネス活用を積極的に後押ししているデル・テクノロジーズが、特に注力しているのが「Dell de AI “デル邂逅(であい)”プログラム」だ。これは、AIを活用したいと考えている企業と、AIソリューションを提供するパートナー企業とのマッチングの場を提供する取り組みだ。AI向けサーバなどITインフラを提供している同社が中心になり、課題を抱える企業と課題の解決策を持つ企業を結ぶことで、日本企業のAI活用を推し進める狙いだ。

 「Dell de AIの一環でもあるAI Experience Zoneは、すでに多くのお客さまが利用しています。例えばある企業は、自社開発した機械学習モデルの精度が上がらないという課題を持っていました。AI Experience ZoneでH2O Driverless AIを体験したところ、実際のモデルの精度向上やモデル作成の効率化といった効果を実感していました。こうしたサーバや各種ソリューションを使い、デモンストレーションや評価を無料でできるので、ぜひご活用ください」――デル・テクノロジーズの増月孝信氏(DCWソリューション本部 シニアビジネス開発マネージャー AI Specialist)はこう紹介する。

photo デル・テクノロジーズの増月孝信氏(DCWソリューション本部 シニアビジネス開発マネージャー AI Specialist)

 いまやAIはビジネスに欠かせないものになりつつある。しかしいざ導入しようとしたとき、課題や懸念は付きものだ。AI導入の効果が分からない、専門知識がないといった悩みを抱える人は、AI Experience Zoneの扉をたたいてみてはいかがだろうか。デル・テクノロジーズの専門家が丁寧に対応して、自社に適した課題の解決方法やAIソリューションを教えてくれるはずだ。

【イベント告知】Dell Technologies Forum

AI ブレイクアウトセッション「千変万化する世界、実用化に向けたAIライフサイクル (B-302-P)」

  • 日時:2022年10月14日(金)13:00〜13:20
  • 会場:ANAインターコンチネンタルホテル東京
      (イベント後オンデマンド配信)
  • セッション番号:B-302-P

お申込みはこちら

※「講演プログラム」をクリックで、セッションの概要をご確認いただけます

編集履歴:2022年10月14日午後7時40分 AI用途のコンピューティング環境に関する図版を追加し、本文を一部更新しました。


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