コンパクトなボディーに凝縮されたクリエイティビティ 動画制作の最前線、マリモレコーズに聞く「HP Z2 Mini」

» 2022年11月11日 10時00分 公開
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 映像クリエイティブの現場では、かつてテープメディアを使って制作していたことを知る読者も多いだろう。しかし、2000年代前半からPCやワークステーションの性能が向上したことで、今ではほぼ全てと言っていいほど、映像制作はデジタルに置き換えられた。

 動画コンテンツは写真などの静止画と違ってリアルタイムでの処理が必要になるため、要求されるマシンスペックもハイエンドになる。ハイエンドマシンというと、ミドルタワークラスの筐体に包まれた“大きくてごつい”イメージを抱くかもしれない。しかし、日本HPが手掛ける最新ワークステーション「HP Z2 Mini G9 Workstation」(以下、Z2 Mini G9)は、製品本体のサイズが211(幅)×218(奥行き)×69(高さ)mmとコンパクトで、標準構成時の重量も約2.18kgと、ワークステーションの枠組みの中では非常に軽い。

photo 「HP Z2 Mini G9 Workstation」(縦置き時)

 本体スペックは、CPUやグラフィックスカード、メモリ、ストレージ容量のカスタマイズが可能で、CPUはCore i5-12500からCore i9-12900Kまで、メモリは16GBから32GBまで、ストレージは512GBから2TBまでのM.2 NVMe SSDを選択できる。

 ストレージはもう1スロット使えるためRAID 0やRAID 1での利用も選べるのがうれしい。搭載OSはあり、なしが選べるが、Windows 11からのダウングレード権を利用したWindows 10 Proを選んだ場合、最小構成では33万9350円(税込)とリーズナブルなのも魅力だ。

 そこで実際にZ2 Mini G9を利用している映像制作の現場を例に、その使い勝手や性能について紹介したい。取材に応じてくれたのは、映像制作会社としてさまざまな作品を作り続けているマリモレコーズのデジタルシネマクリエーター、江夏由洋さんだ。

多様な表現を求められている映像制作の現場

 江夏さんは映像作家で、企業のプロモーション映像や音楽制作、CGを含めた映像制作などを手掛けている。マリモレコーズのクライアント企業には、トヨタ自動車や富士フイルム、ソニー、パナソニック、ベネッセコーポレーション、TBSホールディングス、マンダム、アドビなどそうそうたる社名が並ぶ。

photo マリモレコーズの江夏由洋さん

 「マリモレコーズは設立当初から(作品制作の)全てをデジタルワークフローで完結させることを強みとしており、高品質でスピード感のある制作環境を目指しています。全てをコンピュータのワンストップで作るのです」と語る江夏さん。

 2009年頃から4Kや3Dの立体視映像といった当時最先端のコンテンツも手掛けるなど、最新の技術を取り込んで作品作りをしてきた。その頃からすでにサーバへデータをアップロードして共有しての作業も開始していた。

 「デジタル化を推し進める際には、OSの64ビット化から受けた恩恵も大きかったですね。あとはGPUの進化です。CUDA(NVIDIAが開発・提供しているCPU向けのプラットフォーム)が登場して、GPU上でいろいろと動かせるようになり、処理速度が向上して高画質化、高速処理化ができたのも大きい。自分たちのやりたいことや作りたいもの、頭の中のアイデアをより鮮明に表現できる時代になりました」(江夏さん)

 こうした中で、高速な処理を可能とするワークステーションがより重要な地位を占めるようになったのは自然といえるだろう。

 テレビを代表とする従来の映像コンテンツと言えば、限られた人のみが制作に携われたものだった。しかし今は誰しもがコンテンツを作れる時代。新しい映像表現もどんどんと増えており、その出口もYouTubeやTikTokなどを例に挙げるまでもなく、多様化しているのが現状だ。

 江夏さんも視聴者のターゲットを定めて作品を作ることが重要で、さらに“立体的な思考”が求められていると説明する。クライアントが望むものを作るために表現力の引き出しをどれだけ持っていられるかが重要だという。

 加えて現在では、同じ映像を16:9だけでなく、スマートフォン用の縦方向の映像、YouTube用の解像度を落とした映像など、さまざまなフォーマットで出力することも求められる。

 「プロジェクト1つを取っても、『ショートバージョンかつスクエアでください』とか、『取りあえずスマホ用も欲しい』とか、同じ撮影なのに『CM用も欲しい』といったことが結構あります。その度に撮影の手法も変えなければいけないし、テロップの大きさも考えないといけない。これらの編集をサクサクと短時間でこなせるマシンも必要となります。このためコンピュータリテラシーがすごく必要とされる時代になってきましたね。縦動画をくださいと言われた場合にそのレゾリューションをピクセルでちゃんといえるかなど、メディアリテラシーが必要となってきています」(江夏さん)

省スペースで制作現場に適したスペックを持つZ2 Mini G9

 こうした変化の激しい映像コンテンツの制作現場において、日本HPのZ2 Mini G9はどのような役割を果たしているのか。これまでは映像を編集するシステムというと、何千万、何億という値段の世界だった。これらを扱えるのは、テレビ局や制作会社に入れた、選ばれし特権階級だけだったように思う。

 「それが今ではスマートフォン1つで自分のことを発信できる世界です。しかしスマホではまだ全てのプラットフォームに対応できません。そこでPCやワークステーションが必要になってきます。そんなときに必要な環境を整えてくれるマシンは数多くありますが、Z2 Mini G9はミニマルにデザインされていて、多くの人の要望をかなえてくれるマシンだと思います」(江夏さん)

 Z2 Mini G9は、CPUではCore i9が搭載できる他、メモリも32GBまで増設できる。そしてCUDAを利用できるNVIDIAのグラフィックスカードが搭載可能だ。Z2 Mini G9はコンパクトでありながら、映像編集システムの現場にもぴったりなマシンだといえる。

 マリモレコーズでは以前からミドルタワークラスのHP製ワークステーション「HP Z8 G4 Workstation」や「HP Z840 Workstation」を使っているが、コンパクトなZ2 Mini G9においても動画編集の現場でも十分に使える手応えを感じたという。

 とはいえコンパクトにも限度はある。ノート型ワークステーションまでマシンのクラスを下げると、8Kの素材を動かすことはできたが、レンダリングではマシンパワーが足らず、どうしてもうまくいかないシーンも多かった。

 「ノートブックは出張先で絵をチェックするのは可能ですが、あくまでもクラウドを使ったワークフローに組み込んで使うのであって、オンプレミスかつ自分でやりたいのであれば、デスクトップが必要だと思います」(江夏さん)

 江夏さんはZ2 Mini G9の優位性についてこう語る。「弊社にもZ2シリーズは2台あります。昔から知っている目線で言うと『いい形で進化したな』と。筐体のデザイン、コンポーネントの素材、排熱の構造も含めて、世の中で必要とされる形になっていると思いました。USB Type-Cポートの配置もいい。グラフィックスカードの選択もいいし、有線LANポートがちゃんとついているのがいいですね」(江夏さん)

photo 前面(横置き時)
photo 側面
photo 背面

 それに加えてデザインも気に入っているという。江夏さんがかつて米国・ラスベガスの展示会に足を運んだとき、当時としてはスリムで小型であった「HP Z800 Workstation」の見た目を一目で気に入ったそうだ。その時にかっこいいと思ったデザインのようなフロントカバーがZ2 Mini G9にも採用されているのを見て、「HPはあのカバーですよね。うれしいです。ずっとHPを使っていて、誇りというか。ベストな立ち位置でいますよね」(江夏さん)

photo 江夏さんが言及した「HP Z800 Workstation」(日本HPのWebサイトより)

利用する人がマシンのことを知らないといけない時代

 江夏さんが日本HPのワークステーションを薦めるのは他にも理由がある。「Z2 Mini G9というのは、マシン構成が明快なのです。スクリューレスですので、SSDを追加したり交換したりするのも便利だし、PCIスロットに機器を簡単に増設できる。マザーボードの電源がしっかりしているので、全てのデバイスがちゃんと動く。それも一時的じゃなく、ロングランで動くのです。マシンがそこにあるということを忘れさせてくれるのが大事なのです。Z2 Mini G9は腰を据えて映像編集をするのにはぴったりのすごいマシンだと思います」(江夏さん)

photo

 それに加えて、クリエイターだからこそ、使う人のリテラシーも重要であると江夏さんは強調する。

 「マシンのストレージスペースがどの程度になったらメンテナンスしなければいけないとか、キャッシュファイルを確保してOSに負担をかけないとか。こういったことをあらかじめ自分で理解しておかなければいけないですね。Cドライブが膨れ上がってブルースクリーンが出るとか、データを入れてあるドライブがパンパンで動かないとか。PCに関する知識を持った上で、マシンの健康状態を常に考える必要があります」

 「自分のプロジェクトを作るとして、4Kが走るのか、8Kが動かせるのか。フレームレートはどれくらいだったら、リアルタイムで走らせられるのか。こうしたことを使う人が知らなければいけない時代なのです」(江夏さん)

 江夏さんはまた、日本HPのサポート体制についても次のように評価している。

 「日本HPのサポート体制は素晴らしいと思っています。自分がセットアップしたOSがうまく動かないときに来ていただいたり、HP Z820 Workstationという古いワークステーションを使っているのですが調子が悪くなってマザーボードを交換したりということがあります。その際には『LINE』でシリアル番号をパパッと入れると、使っているのは何の機種で、サポート中なのか、期限が来ているのかが一発で分かるのです。電話を折り返しでくれて訪問してくれますし、購入して1年以内だったらマザーボードの交換も無料でやってくれる」

 「サポートが本当に手厚いですよ。ワークステーションはプロジェクトが走っているので止められないですし。日本HPのワークステーションであれば当然手厚いサポートがあるだろうと期待しますね」(江夏さん)

小型な筐体だからこそ優れた冷却システムを搭載

 Z2 Mini G9は小型な筐体にハイパワーなCPUを搭載できるよう、冷却機構も考えられている。それが「相変化型CPUクーリング」だ。冷却用のヒートパイプの中に入れられた液体の冷却剤がCPUの熱によって加熱されて蒸気が発生し、熱エネルギーを吸収。その蒸気が冷却部のラジエーターに流れて熱を放出する。その後、蒸気が液体に凝縮されて再度CPU側に戻り、再び蒸気となって冷却。これが繰り返される仕組みになっている。

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 今後はこの冷却システムが日本HPのワークステーションではスタンダードになっていくとのこと。静音性も確保されているので、動画編集中に音声を再生する場合でも、ファンの音がうるさいといった心配はなくなりそうだ。

今後も日本HPのワークステーションに期待

 ここまで江夏さんに日本HPのワークステーションについて熱く語っていただいたが、今後の進化について次のように話す。

 「日本HPの製品は、テクノロジーで世の中を変えようという思いが形になっていますよね。技術的な背景だけでなく、デザインもそうですし、ユーザビリティまで含めてそう言えます。相変化型CPUクーリングの技術だけでなく、新しいものが出るときには、あっと思わせるような何かがしっかりと組み込まれていると思いますね。もっと快適に動くマシンが欲しいと思っていますが、CPUやグラフィックスカードの進化といった要素の点と点を上手につないで、マシンを仕上げていってほしいです。これからも使わせていただきたいと思っています」(江夏さん)

 江夏さんが推してやまない日本HPのワークステーションについて興味を持った方は、日本HPにぜひ問い合わせてみてほしい。

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提供:株式会社日本HP
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2022年12月3日