ハイブリッド/マルチクラウドのネットワークの状態が一目で分かる 運用管理を効率化するサービスの実力は

» 2022年11月25日 10時00分 公開
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 企業が業務やサービスのデジタル化、DXを進めるほどITインフラは「複雑性」という課題に直面する。特にクラウドシフトが進み、オンプレミスと混在したハイブリッドクラウドや複数のクラウドサービスを併用するマルチクラウドが当たり前となった最近は、こうした課題が浮き彫りになっている。

 オンプレミスやクラウドサービスの“いいとこ取り”をできる点が、ハイブリッド/マルチクラウドのメリットだが、そこに新たな問題が発生する。データや機能の分散化が進むと、複数のプラットフォームにまたがって運用管理が必要となり、そのオペレーションは自ずと複雑化する。「複雑性」と述べたのはそういう意味だ。

 例えば、ある航空会社はフロントエンドのWebサーバ、顧客データベース、認証システム、決済システムなどを連携して顧客向けの予約システムを運用している。このように必要なデータや機能を1つのパブリッククラウド上に構築せず、プラットフォームを分散化し連携して運用することは珍しいことではない。

 あるいはIoTデータの収集・蓄積をA社、AIを使ったデータ分析をB社というように、業務プロセスごとにクラウドサービスを導入し、結果的にマルチクラウド環境になるケースもある。

 「分散化した状況では複数のコンソールを使って運用するので、オペレーションが煩雑になり、どうしても機敏性や環境全体を俯瞰した可視性に課題が生じます」と話すのは、ITインフラやネットワーク領域を豊富に手掛けるシスコシステムズでクラウド&サービスプロバイダーアーキテクチャ事業に所属する井上景介氏だ。

 そうした課題に役立つのが、同社が2022年7月に発表したソリューション「Cisco Nexus Cloud」だという。一体どんなものなのか。井上氏と同社エンジニアの石井伸武氏に聞いた。

photo クラウドの運用管理を効率化する「Cisco Nexus Cloud」

サイト登録は数分で完了 クラウドの運用管理をシンプルに

photo シスコシステムズ合同会社 井上景介氏(クラウド&サービスプロバイダーアーキテクチャ事業クラウドアーキテクチャ事業部シニアセールススペシャリスト)

 Cisco Nexus Cloudは、ハイブリッド/マルチクラウドのネットワークを一元的に管理し、セキュアな状態で運用できるSaaSソリューションだ。全体のネットワーク状況を1つのダッシュボードで可視化することで、複数のプラットフォームにまたがるシステムの煩雑な運用管理に終止符を打つ。

 「国内に限らずグローバル規模で展開する各サイトのネットワーク機器などが、今どのような状態かをリアルタイムで確認できます」(井上氏)

 では実際に、ダッシュボードの画面を見ながら機能について説明しよう。Cisco Nexus Cloudの利用には、ハイブリッド/マルチクラウド環境の運用管理負荷を軽減し、アプリケーションのワークロードを最適化するプラットフォーム「Cisco Intersight」のアカウントを用いてのログインが必要だ。

 「運用・管理は実にシンプルです。ユーザーがCisco Nexus Cloudを開くと、まずオペレーション手順のガイドが表示されます。ガイドに沿ってサイトを登録するだけで、インベントリ、ネットワークトポロジー、異常検知、アドバイザリーといった切り口で各サイトのインフラとネットワークを簡単に可視化できます」(石井氏)

photo 登録した各サイトのインフラやネットワーク状況を可視化(画像はイメージ)

 実際に目の前でその様子を見せてもらったが、サイトを追加するオンボーディングの作業は数分で完了。Cisco Nexus Cloudの管理画面にデバイスのシリアル番号やクレームコードを登録するだけで、実にスピーディーに行える。

 「1つのサイトに多数のデバイスを設置している場合も、当社の『Cisco ACI』(Application Centric Infrastructure)というSDN(Software Defined Network)ソリューションを介せば、一度登録するだけで接続している全てのデバイスの各種情報を確認できます」(石井氏)

デバイスの問題点も自動で表示

 実際にサイトを登録すると、ポートの利用状況やファームウェアの状態に加え、デバイス自体の状況も分かる。何か問題が発生すると「Anomaly」(異常検知)という項目にアラートを表示。どこに、どのような問題が発生しているか、問題の影響範囲や対処方法といった情報も提供する。

photo 問題が発生するとアラートを表示。影響度なども確認可能(画像はイメージ)

 また「Advisory」機能では、製品の販売終了(EOS)、サポート終了(EOL)、セキュリティ(PSIRT)情報を提供。通信に影響を与えるようなデバイスの問題点をユーザーに対し開示する「Field Notice」機能も搭載する。

 「こうした情報はCiscoでデータベース化して提供していますが、ユーザーが気付きにくく、これまでは能動的に閲覧しなければなりませんでした。しかしCisco Nexus CloudのAdvisory機能では、ユーザーが運用するデバイスに合致した情報を対処方法と共に自動的に表示します。チェックの手間を軽減し、確認漏れの防止によりネットワークの安定稼働を支援します」(石井氏)

 加えてField Noticeは、パーツ交換のタイミングやファームウェアのアップデート情報なども可視化する。こうした情報をプッシュ型で知らせてくれるのはありがたい機能だろう。

 「ITインフラのライフサイクル管理が行き届かないという課題に、頭を悩ませるお客さまが多くいらっしゃいます。今回Cisco Nexus Cloudを評価した製造業のお客さまからは『クラウド提供だからオンプレミスに配備するよりも容易で、システムの不具合にいち早く気付ける点がメリット』とコメントをいただきました」(石井氏)

photo シスコシステムズ合同会社 石井伸武氏(クラウド & サービスプロバイダーアーキテクチャ事業クラウドアーキテクチャ事業部システムズエンジニアリング部テクニカルソリューションズアーキテクト)

 ネットワーク関連のデバイスを提供しているシスコシステムズだからこそ、ハードウェアとソフトウェアを連携させ、ここまで粒度の高い情報をリアルタイムで可視化する機能を提供できる。

 実際のデモを見ていて驚いたことがある。Cisco Nexus CloudのGUIが今までの同社ソリューションのGUIとは異なるテイストである点だ。これについて石井氏は「ポップな色遣いを織り交ぜた、ユーザーフレンドリーなGUIが目を引くと思います。親近感を持っていただいて、より分かりやすくシンプルな使い勝手を実感してもらいたいです」と自信を見せる。

ネットワークのエネルギー消費を可視化

 Cisco Nexus Cloudには、サステナビリティという視点での管理機能も備わっている。現在の企業は自社の利益を追求するだけでは、投資家や株主、消費者を納得させることはできない。企業活動のあらゆる領域で社会的責任が求められる時代だ。

 社会的責任は、データセンターなどシステム運用における二酸化炭素の排出量にも及ぶ。例えば「Scope1」「Scope2」など自社のエネルギー消費がどれくらいか明確にするためにも、各サイトのエネルギー消費を見える化する機能は有用だ。

 Cisco Nexus Cloudなら、グローバルにITインフラを展開する企業でも、各サイトのエネルギー消費を個別に可視化できる。シスコシステムズがこうしたエネルギー消費を管理する機能を実装した背景には、ユーザーからの関心の高さがあった。

 「企業の上層部の方々とお会いしても、社会課題の解決という視点でアンテナを張り巡らせている方が多くいらっしゃることを痛感します。そのような方々にCisco Nexus Cloudのエネルギー管理機能のお話をすると、高い興味をもっていただけます」(井上氏)

photo 各サイトの電力消費量を表示(画像はイメージ)

 各サイトのエネルギー消費を見える化する他、今後はさまざまな形でサステナビリティ機能の拡充を検討していく予定だ。

導入時のリードタイムやコストにメリット 無償トライアルも予定

 Cisco Nexus Cloudの提供は22年12月以降を予定する。当初は同社のスイッチ製品であるCisco NexusシリーズやACIといったオンプレミスの管理に加え、インフラ全体のインベントリ管理やAdvisory機能の提供からスタートする。

 その後は、Nexusシリーズを一元的に管理するNDFC(Nexus Dashboard Fabric Contoller)に対応予定だ。またCisco Nexus Cloudのホスト版である「Cisco Nexus Dashboard」にも接続し、より統合的にインフラを管理する機能も提供を予定する。将来的には、Azure、AWS、GCPなど各クラウドサービスへの対応も検討している。

 シスコシステムズでは、Cisco Nexus Cloudのターゲットを中小規模のITインフラを想定している。Cisco Nexus Cloudならクラウドでの提供となるため、ユーザー企業が導入時のリードタイムの短さや初期費用を低く設定できるからだ。

 一方、ハイブリッドクラウド環境での運用管理により強みを発揮するCisco Nexus Dashboardは、ハードウェアの導入やデータセンターのスペース確保といった対応が必要となるだけに、大規模インフラを運用するユーザー向きとしている。

 シスコシステムズでは今後、Cisco Nexus Cloudのウェビナーやデモの提供を予定している。また開始時期は未定だが、無償のトライアル期間を設ける。提供価格については検討中だが、井上氏は「スイッチベースのライセンスを購入していただく形になる予定です」と説明する。

 「ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの運用管理において、Cisco Nexus Cloudはスピードと効率性にシビアな企業のニーズを十二分に満たせるサービスです。今後は付加価値の高いビジネスを目指し、クラウド環境を充実させる企業がさらに増えていくでしょう。そのような企業にこそ、われわれのソリューションをお試しいただきたいと思います」(井上氏)

 あなたの企業で「各所にシステムのデータや機能が散在し、把握や管理が煩雑になっている」「クラウドの運用管理が年々複雑化している」などの課題を抱えていたら、シスコシステムズが開催するウェビナーやデモに参加し、Cisco Nexus Cloudの導入を検討してみてはいかがだろうか。

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提供:シスコシステムズ合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2022年12月13日