「Web3.0」で“コンテンツ”が進化する! デジタルコンテンツビジネスに革新を生む「新基盤」 その未来像を超解説

» 2022年12月08日 10時00分 公開
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 インターネットはこれまで二度、その姿を変えてきた。インターネット普及初期を「Web1.0」といい、HTMLを使った個人Webサイトが盛り上がった。続く「Web2.0」はSNSなどの登場でユーザーが情報を発信するようになった一方で、大手IT企業らプラットフォーマーの影響が大きい中央集権的な構造が問題視されるようになる。

 そこで新たに期待を集めているのが「Web3.0」だ。ブロックチェーンなどの新技術を活用して非中央集権的なインターネットを目指す。ユーザー自身がデータを管理したり、情報の集中を防いで情報セキュリティを向上したりする「分散型インターネット」を掲げているのが特徴だ。

 Web3.0時代を象徴する要素の一つがデジタルコンテンツの扱いだ。メタバースやVRのような新しいネット空間への対応が必要になるといった点で、私たち一般ユーザーにとっても、コンテンツを提供する側にとっても大きな変化がある。

 こうした中で新しいデジタルコンテンツ流通の在り方を考えているのが、ペイントアプリ「CLIP STUDIO PAINT」を手掛けるセルシスの100%子会社&DC3社(新宿区)だ。&DC3社は、次世代のデジタルコンテンツ流通基盤の提供に乗り出す。

 そもそもなぜセルシスがWeb3.0時代のデジタルコンテンツについて真剣に考え、&DC3社を設立したのだろうか。それは同社の歩みを振り返ると一目瞭然だ。CLIP STUDIO PAINTを筆頭にイラストやマンガ、アニメなどのコンテンツ制作といったクリエイター視点を持つと同時に、フューチャーフォン全盛期のときからモバイルコミック配信ソリューションを提供し始めるなど、同社のツールやソリューションはテクノロジーの先端としてコンテンツ配信ビジネスに利用されてきた背景がある。

 Web3.0時代にはデジタルコンテンツをどう取り扱っているのだろうか。今回は&DC3社のトップと開発ディレクターに、同社が果たす役割と将来展望を聞いた。

photo 右から&DC3社の神林孝尚氏(代表取締役社長)と開発ディレクターの高橋雅道氏

Web3.0時代のデジタルコンテンツ その在り方は?

 Web3.0の世界では、デジタルコンテンツは「配信」から「モノとしての流通」に変化します――こう話すのは&DC3社の神林孝尚氏(代表取締役社長)だ。現在のWeb2.0では、コンテンツの多くが配信形式で利用される。これはコンテンツそのものを手にしているのではなく、一時的に閲覧権を得ているにすぎない。Web3.0ではコンテンツを「自分のモノ」として取り扱える流通形式に変わるという。

photo &DC3社の神林孝尚氏(代表取締役社長)

 従来のビジネスモデルでは、例えば電子書籍ストアがサービスを終了してしまうと買ったマンガを読めなくなる可能性が高い。またデジタルコンテンツは、気に入ったコミックを愛蔵本として棚に並べづらい現状がある。Web3.0時代のコンテンツは、こうしたユーザーが感じる不便さをデジタルのメリットを損なうことなく、解決するのが理想形だ。

 では&DC3社が掲げる、デジタルコンテンツをモノとして扱うとは具体的にどういうことだろうか。現実世界では気に入った記事を切り抜いてノートに貼ったり、中古のグッズを買うといった楽しみ方がある。そして友人にマンガを貸したら自身の手元からは無くなる。こうしたモノとしての特徴をデジタルコンテンツでも実現することを狙う。

 「どんな時代になろうと、大好きなコンテンツを手元に置いておきたいと誰もが思うでしょう。デジタルコンテンツにおけるWeb3.0とは、実体がないデータをモノとして扱い、テクノロジーによって保有すること自体を守り、個人の裁量をより拡大した世界です」(神林氏)

 これまで通り配信形式で十分だと考える人もいるだろう。そこで音楽コンテンツを例に考えてみる。楽曲の購入場所はCDショップからオンラインストアに移り、いまはサブスクリプションサービスが人気だ。この変化は「聴く」という体験をより便利にした。その一方でアナログレコードに注目が集まっている。利便性を追い求めた結果、こぼれ落ちたモノとしての価値が再認識されており、そうしたアナログとデジタルのバランスを取る必要がある――こう訴えるのは&DC3社の高橋雅道氏(開発ディレクター)だ。

photo &DC3社の高橋雅道氏(開発ディレクター)

デジタルデータをモノとして扱う &DC3社が仕掛ける新基盤

 コンテンツの価値を最大限楽しみたいというニーズがあり、それを実現できる技術が登場しているなら、やらない手はない。そこで&DC3社は、デジタルコンテンツをモノとして流通可能にする新ソリューション「DC3」を12月7日に発表した。

 DC3はあらゆるデジタルデータを唯一無二のモノとして扱うことができる基盤ソリューションだ。コンテンツの売買といった流通履歴やコンテンツ情報をブロックチェーンで記録して改ざんを防ぐ。

 DC3の特長の一つは、コンテンツがサービスではなく、個人にひも付いていることだ。これにより、コンテンツの2次流通や貸し借り、サービス間の移動といった、デジタルでは難しかった流通が可能になる。こうした流通は強制的なものではなく、各事業者の既存ビジネスモデルに沿った形で一部を制限することも可能だ。

photo サービスをまたいでデジタルコンテンツを利用するイメージ(引用:&DC3社より(https://www.dc3solution.net/)/クリックで画像拡大)

 さらにデジタルコンテンツの常識を覆すのが、保有するコンテンツを加工・編集できるという特長だ(コンテンツ権利者の許諾のもと、私的利用の範囲に限る)。あるイラストのデジタルコンテンツを保有しているとする。従来はそれを鑑賞するだけだったが、DC3で提供されているコンテンツならそこにサインをしたり、一部を切り取って別のコンテンツに貼ったりできる。モノとしての性格を反映するため、切り取った部分は元コンテンツから消える仕掛けにした(正確には、一部がマスキングされる)。もちろん、デジタルの便利さは損なわず、簡単にコンテンツを元の状態に戻すこともできる。

photo 保有するコンテンツから一部を切り取り、別のコンテンツに貼り付けるイメージ

収集欲をくすぐる? DC3で変わる「コレクション」の姿

 DC3のコンテンツは必ず3Dサムネイル(3Dの外観)を持っている。これを活用して、DC3ではユーザーが保有するデジタルコンテンツを展示できる「マイルーム」を用意した。

 マイルームでは、自身が保有しているコンテンツが複数のサービスにまたがっていてもまとめて管理できる。さらに自分専用の展示室のイメージで、壁にイラストやポスターを貼り、棚に本を置き、机にCDジャケットを並べて置ける。自身のコレクションを3D空間上で並べて展示するだけでなく、SNS等で外部に披露することもできる。

photo 画像掲載位置:マイルームのイメージ画像

次世代のコンテンツ流通基盤をお手軽に

 デジタルコンテンツの新しい可能性を引き出すDC3は、主にコンテンツサービス事業者に向けたソリューションだ。エンドユーザーである一般消費者はDC3の存在を意識せずコンテンツを楽しめる。

 開発にあたり意識したのは、導入のしやすさだ。大規模な投資は不要で、音楽配信サイトや電子書籍ストアといった既存のサービスに、APIやデータベースからなるモジュールを組み込むだけでいい。現在のサービスの延長線上で、Web3.0時代のコンテンツ流通の仕組みに容易にシフトできると高橋氏は説明する。

DC3の仕組み デジタルコンテンツの「製造」とは?

 ここで、コンテンツを「モノ」として扱えるようにする仕組みを解説しておく。DC3ではコンテンツを「モノ」として扱えるようにするために新しい概念を取り入れている。まず、コンテンツデータをマスターコンテンツとして登録する。次に、マスターコンテンツから流通するコンテンツを作る。一つの金型から製品を製造するイメージだ。

 コンテンツが製造された段階で一つ一つが別々のモノとして存在していることになる。コンテンツを大量に製造し、多くのユーザーに届けることもできるし、製造数を制限することで、限定品としてレアリティを高めることも可能だ。また大量に製造しても、ストレージ容量は増大しない設計となっている。

photo DC3の仕組み(クリックで画像拡大)

 「DC3はコンテンツのフォーマットは関係ありません。対応するプレイヤーやコンテンツビュワーさえあれば、どのようなデジタルデータであっても利用できます。デジタルデータを箱に入れるだけのイメージなので、動画や本などの一般的なコンテンツはもちろん、3Dモデルやチケット、クーポンなどにも対応できます」(高橋氏)

 ちなみに、NFTとの違いを解説しておく。コンテンツ情報や保有者情報をブロックチェーン上に記録する点はNFTもDC3も同じだ。とはいえ、排他的な関係ではなく、DC3は他のNFTサービスとの連携も視野にいれているという。コンテンツを閉じたものにしないという意思の表れだ。

&DC3社が見据える未来 コンテンツの在り方は?

 &DC3社とセルシスが一貫して考えているのは、クリエイターとコンテンツの未来だ。デジタルコミック市場の黎明期を開拓し、CLIP STUDIO PAINTによってクリエイティブの現場に革命をもたらすなど、コンテンツの制作から流通までを一貫して支えるソリューションを提供してきた。

 この思想から生まれたサービスが、自身の作品を3D空間で展示・配布できる「CLIP STUDIO WALL」だった。これは現在ベータ版サービスとしてリリースしている。その開発過程でNFTやメタバース、Web3.0などの新しいテクノロジーの登場を感じ取り、これまでセルシスが培った知見を生かすDC3の構想が生まれた。

 「コンテンツを取り巻く環境が変わっても、コンテンツそのものの価値こそが重要だというのはWeb3.0時代も変わりません。行き過ぎた中央集権や大量消費が徐々に見直されて、デジタルコンテンツの新しい楽しみ方が生まれたり、そこを接点にクリエイターとファンとの密接なつながりが生まれたりするのではないでしょうか。そんな変化をDC3で後押ししていきたいです」(神林氏)

 &DC3社はDC3を通じて多くのパートナーと一緒にWeb3.0時代のコンテンツのさまざまな可能性を開拓していきたいという。DC3は、将来的にデジタルコンテンツの在り方を変える可能性を秘めている。ぜひDC3に注目し、興味を持った人は&DC3社に声を掛けてはいかがだろうか。デジタルコンテンツの未来を見せてくれるはずだ。

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提供:株式会社セルシス
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2022年12月23日

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