AIは“特別な投資”ではない 「知見も人材もない」企業が自社導入に成功するコツは? データサイエンティストに聞く

» 2023年02月03日 10時00分 公開
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 いま、製造や物流、小売りなどあらゆる事業分野でAIの導入が進み、業務の効率化から経営支援まで幅広い成果を挙げている。最近は「データドリブン経営」「データセントリック」(データ中心のAI)というキーワードが頻繁に飛び交うようになり、データ分析を支えるAIの重要度が増している。もはやAIは、特別な投資ではない。

 本当に成果を出せるのか分からない不安からAI活用に踏み出せていない企業は、いま始めないと“企業力”の差が広がってしまう。もし「失敗しないAI活用」「成果を出せるAI開発」のポイントが分かれば、活用に弾みがつくはずだ。

photo デル・テクノロジーズの市ノ川慶吾氏(コンサルタント、デジタルトランスフォーメーションコンサルティング)

 「AIの活用時、何から始めていいか分からない場合が多くあります。でも実は、段階を追って考えれば簡単です。そしてAI活用を成功に導くには、精度の維持が大切です。それが自社だけでは難しければ、専門家の支援を頼る選択肢も有効です」――こう話すのは、デル・テクノロジーズでデータサイエンティストとして活躍する市ノ川慶吾氏(コンサルタント、デジタルトランスフォーメーションコンサルティング)だ。

 PCやサーバなどハードウェア製品の印象が強い同社だが、その強力なマシンを生かすソフトウェア製品やAI関連サービスを展開している。今回はそんなデル・テクノロジーズの中でも、AIコンサルティングサービスを手掛けるデータサイエンティストなどに、AI活用のポイントを聞いた。

いまAIが必要なワケ 「当社にAIは不要」への答え

 そもそも、なぜAI活用が必要なのか。顧客に「いまのビジネスにはAIによる改革が必要です」と提案した際、経営層の中には「経営も業務も私たちで判断できるので、当社にAIは不要です」と反応する人もいると、デル・テクノロジーズの営業部隊としてAI導入を支える池田司氏(シニアソリューションプリンシパル、サービスビジネス営業統括本部)は話す。

photo デル・テクノロジーズの池田司氏(シニアソリューションプリンシパル、サービスビジネス営業統括本部)

 「業務に詳しく、経験を積んだ方の経営判断はとても重要です。その判断の裏には何らかのノウハウやロジックがあるはずで、現在それらは個人の内側に蓄積されています。しかし本来なら組織の資産として残して共有すべきです。私たちは『経験やノウハウを資産にするためのAI導入』をご提案しているのです。データとして蓄積し、AIが判断するソリューションは会社の資産として残り、担当者に依存せず社内の誰もがAIをツールとして活用することが大切です」(池田氏)

 AIというと効率化や省人化のメリットが目立つが、その本質は属人的な作業から脱却して、データに基づいた客観的な視点で生産性を上げていくことだ。例えば、従来は担当者が独自の経験や勘から仕入れや生産計画を予測していた業務でも、AIに過去のデータを学習させれば誰でもデータを根拠にした高精度の予測が可能になると市ノ川氏は説明する。

成果を上げている企業のAI活用術

 AIを活用している企業は、どのような成果を挙げているのか。デル・テクノロジーズのコンサルティングサービスでは、金融や保険業界と製造業からの引き合いが多い。実際に支援した事例を基に、AIの使い方を紹介してもらった。

保険の審査 人による作業を大幅に削減

 保険会社やクレジットカード会社、銀行などでは保険金や融資の不正受給を防ぐ取り組みにAIを使っている。例えばある保険会社の場合は、これまで担当者が担っていた審査業務の自動化にAIを取り入れた。過去の損害や支払いの情報を活用した結果、高い精度を保ちつつ作業を大幅に削減できた。

機械故障やトラブルの予知に

 製造業では、工場のラインを止めないように機械の故障検知にAIを活用している。工場の各種機器やアプリケーションのログデータから故障の兆候を学習したAIで、システムや設備の異常やトラブルの予兆を検知する。

 さらに物流関連の効率化に役立てるケースも増えていると池田氏は話す。商品の需要予測や生産計画の見通しを立てたり、在庫管理やユーザーに届ける配送計画の策定をしたりといった用途でもAIは力を発揮する。

Webサイトの効果アップに

 AIはWebサイトの成果向上にも役立つ。Webサイト訪問者の行動データを分析して、コンバージョン率(CVR:全訪問者のうち狙った行動を取った人の割合)が高い人のモデルを作る。そのモデルを基に、広告の最適化や導線の調整をしてCVR向上につなげている。

ビジネスへのAI導入 4つのユースケース

 では、AI導入をどう進めればいいのか。それは主に4つのユースケースに分けられる。

  1. AIを自社開発して運用する
  2. ベンダー企業に自社専用のAIを開発してもらい、導入後は自社で運用する
  3. 既存のAIソリューションを導入し、自社で運用する
  4. AIの開発から運用まで全工程を外部に任せる

 どれが正解ということはない。コストをかけてでも自社向けに最適化したAIを使いたい、まずは使ってみて成果が出るか様子見したい、自社での運用は難しいがAIは活用したいというように、企業によってニーズが異なるため、適した方法を選ぶのがAI活用の成功への近道だ。

AI活用で成果を上げ続けるために

 AI導入に際して欠かせない3ステップが以下だ。これを着実に歩めば大失敗は避けられる。

  1. データを収集する(必要に応じてデータを整形する)
  2. AIモデルを作る
  3. AIをアプリケーションに組み込んで運用する

 そもそも成果を出せるAIには、その基になる高品質なデータが欠かせない。データを集めるだけでなく、AIの学習に適したデータに整形する仕組みも必要だ。既存のAIソリューションを使う場合でも、データは必要になる。AIの準備ができたら、アプリケーションやシステムに組み込んで本格的な活用を進めていく。

photo AI導入の3ステップ(クリックで拡大)
photo デル・テクノロジーズの新妻康弘氏(コンサルタント、デジタルトランスフォーメーションコンサルティング)

 そしてAI活用を成功させるために重要なのが、AIの運用時にチューニングを継続することだ。AIは開発して納品すれば終わりではなく、継続的なブラッシュアップが重要だ。社会情勢から手元の業務まで、AIの基になったデータは時間とともに変化する。AIが出す結果を常にチェックして、精度を保てるよう最新のデータに基づいて学習し直すことが必要だと、デル・テクノロジーズの新妻康弘氏(コンサルタント、デジタルトランスフォーメーションコンサルティング)は指摘する。

 「AIの精度はビジネス環境の変化により低下(劣化)していくものです。精度が低下する前にどう対処するか検討しておくべきです。精度を維持するためには、社内にデータサイエンティストを配置して、AIの追加学習と運用を自走させることが望ましいです」(新妻氏)

AI活用をワンストップで支援 デル・テクノロジーズが伴走

 AI活用は難しそうに見えるが、各工程を分解して考えればどの企業でも対応できるものだ。そしてデル・テクノロジーズでは、4つのユースケースを含めた顧客の要望や状況に応じてAI活用を支援するコンサルティングサービスを展開している。

 例えばAI活用に一から取り組む企業の場合、データ管理の状況アセスメントから始まり、AI活用の計画立案をして、データ基盤やAIモデルの構築を支援して運用までサポートする。顧客のチームに、デル・テクノロジーズのデータサイエンティストが交ざってプロジェクトを進めることもある。「お客さまに伴走して、ワンストップで支援します」(池田氏)

“AI人材”の育成サービスも

 さらに顧客からの評価が高いのが、人材育成サービスだ。高精度なAIを継続的に運用するには“AI人材”が欠かせない。そこでデル・テクノロジーズでは、一般のエンジニアをAI人材に育成する「データサイエンスアカデミー」を展開している。

 初学者が機械学習やデータサイエンスについて演習形式で学べるもので、AIの開発や運用に必要なノウハウを手にできる。さらに具体的な導入事例なども伝えることで、顧客が自走できるように支援している。

「とにかく早く導入したい」 既存AI活用は「Dell de AI」で支援

 自社でAIを開発するのではなく、既存のAIソリューションを素早く導入して効果を出したいというニーズに応えるプログラムが「Dell de AI “デル邂逅(であい)”」だ。これは、AIを活用したい企業と、AIベンダーとをマッチングする取り組みとしてデル・テクノロジーズが連携の輪を広げている。

 Dell de AIでは自動翻訳やAI OCR、チャットbotといったデスクワーク効率化につながるソリューションから、製造業などで活躍する異常検知AIや画像検知AI、AIモデルの作成を省力化できるツールまで幅広いAIベンダーがそろっている。

 AIを一から自社開発する場合も、既存ソリューションを使う選択をしても、デル・テクノロジーズが相談窓口になって目的や予算に応じた提案をしてくれる。

AI導入は難しくない 「ツールとして使いこなそう」

 デル・テクノロジーズに相談を寄せる企業の中には、何から始めるべきか分からない、AIに精通した人材がいないなど、AI活用に難しさを感じているケースもある。「AIの導入は難しいことではありません。すごく特別な知識が必要なわけではなく、AIという新しいツールを使いこなしましょうという気軽さで相談を受けています。そしてAIによって成果を出せたとき、一から十を生み出せたときにお礼の言葉をいただけるのがやりがいです」(池田氏)

 相談初期のコンサルティングにはじまり、ワンストップのAI導入支援をした後も、デル・テクノロジーズのサポートは終わらない。要望があれば顧客のAI担当チームに時折、デル・テクノロジーズの担当者が加わってAIの運用を手助けするなど丁寧な伴走が評判だ。

 いまやAIがビジネスの明暗を分け、競争に勝ち残っていく上で重要な鍵になっている。AIは業務に欠かせないツールで、活用に待ったなしだ。AI導入を進める上で課題を感じている企業は、デル・テクノロジーズに相談してみてはいかがだろうか。親身に支援をしてくれるだろう。

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Dell de AI(でるであい)とは──


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「AIをビジネスで活用する」──そう言い表すのは簡単です。しかし、組織にとって本当に価値のあるアクションへ落とし込むには、考えるべきことがあまりに多すぎます。誰に相談すればいいのか、どうすれば成果を生み出せるのか。「Dell de AI “デル邂逅(であい)”」は、そんな悩みを持つ企業や組織にポジティブな出会いや思いもよらぬうれしい発見──「Serendipity(セレンディピティ)」が生まれることを目指した情報発信ポータルhttps://www.itmedia.co.jp/news/special/bz211007/です。


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