「SaaSに浸るイベント」に行ってきた! “おしゃれ空間”で語り合う将来像 AI活用の可能性を見た!SaaSを身近にする1日

» 2023年09月22日 10時00分 公開
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 2023年9月1日、筆者は原宿にいた。最新カルチャーの発信地である原宿で「SaaSのトレンドが分かるイベント」が開催されると聞いてやってきたのだ。JR原宿駅から歩くこと10分弱で会場となる全面ガラス張りの格好いい建物――コワーキングスペース「WeWork アイスバーグ」に到着した。

 訪ねたのは無料イベント「SaaS Showroom 9.1」。コンセプトは「SaaSをより身近にする1日」だ。SaaS市場をリードする20の企業が展示やワークショップを行う他、現状の共有からAI活用などの将来展望まで参加者と企業の担当者が膝を突き合わせて語れるという。

 次世代の柔軟な働き方を支えるWeWorkでSaaSの未来を見通せるなんて、この機会を逃さない手はない! それに、実体がないSaaSをどう展示するのかも気になった。今回は、ITmedia NEWS編集部の筆者が体験してきたSaaS Showroom 9.1をレポートしたい。

photo WeWork アイスバーグで開催されたSaaS Showroom 9.1を訪ねた

“おしゃれな空間”でSaaSを展示 入り口から早速体験スタート!

 イベントは、SaaS企業の展示ブースやセミナー形式のワークショップなどで構成されている。パントリーを使えるので、お茶やコーヒーを自由に飲めるのがうれしい。主催したのは、SaaSを含むIT製品のレビューサイト「ITreview」を運営するアイティクラウドと、SaaSからIT端末まで幅広く“ITの総合流通”を担うSB C&Sだ。

 会場に到着したら、受け付けして入場する。といっても、参加申込時に発行された入場用の二次元コードを読み取るだけなので一瞬で終わった。実はこの受け付けシステム、SaaSなのだ。今回のイベントに出展している企業が提供するもので、RECEPTIONIST社の「RECEPTIONIST」を採用している。

photo 入場用二次元コードを表示したスマホを、受け付けの端末にかざして読み取る

 出だしからSaaSを実感できたことに、期待が高まる筆者。会場内に足を踏み入れると、その期待が一層高まった。WeWork アイスバーグの“おしゃれな雰囲気”が気分を盛り上げてくれるのだ! 日差しが差し込む明るい空間に、イケてる照明や家具などが目に飛び込んでくる。スタートアップ感と表現すればいいのか、新しいテクノロジーに触れるのにうってつけの場所だと感じた。

 WeWork アイスバーグのワンフロアを貸し切りにしており、壁沿いに出展社のブースが並んでいる。どのブースも独自の特色が出るよう工夫されており、実体がないSaaSの魅力をいかに伝えるか考えられていた。

photo 会場の雰囲気はとても明るかった

 会場のスタッフは、胸に「Cloud Service Concierge」と書かれたシャツを着ている。その名の通り、クラウドのコンシェルジュ、つまりSaaSに精通したスタッフだ。SB C&Sが22年10月に立ち上げた専門チームで、今回のイベント運営全般を担っているそうだ。

 会場では、サイボウズのクラウド型業務アプリ開発ツール「kintone」やSansanの名刺管理を軸にした営業DXサービス「Sansan」、ストラテジットのSaaS開発プラットフォーム「JOINT iPaaS」などさまざまなSaaSが展示されていた。

「体験できる展示に」 Zoomで北京とコミュニケーション

 さて、会場内で目を引いたのがコミュニケーションプラットフォーム「Zoom」を提供するZVC JAPANのブースだ。コロナ禍で誰もが目にするようになった青色のコーポレートカラーが目立つ。

 中国北京市のオフィスとリアルタイムでつなぐデモンストレーションを実施しており、低遅延かつクリアな会話品質を体験できた。HP(Poly)のZoom認定カメラやスピーカーを会議室に据え置くWeb会議システム「Zoom Rooms」を活用しており、高性能なノイズキャンセリング機能などを試せる。

 「普段なら、ZoomはPC画面で見るだけですが、今日はZoom Rooms用のデバイスを用意するなど参加者が体験できるようにしています。使い勝手をチェックできますし、イベントのコンセプトにも合っています」――ZVC JAPANの秋波英理子さんはこう話す。

photo ブースについて説明するZVC JAPANの秋波英理子さん(パートナービジネス本部 パートナー営業部 チャネルアカウントマネージャー)。背後にあるモニターには、北京市にあるオフィスが映っている

 Zoomといえばミーティングのイメージが強いが、現在はハイブリッドワークを前提に多様なソリューションの展開に力を入れている。描く世界観は、さまざまなコミュニケーション方法を1つのプラットフォームに統合して「人と人とのつながり」を広げる姿だ。

 そのビジョンを体現するサービスの一つが「Zoom Phone」だ。クラウド型の電話(クラウド型PBX)で、Zoomアプリに統合されている。利用時に用意するのはインターネット環境とZoomのアプリケーション、通話に使うPCやスマートフォンなどの端末だけ。電話回線が不要なので外出先でも使える他、電話機の保守コスト削減や、国際通話の料金を抑える効果などのメリットがある。

photo HP(Poly)の電話デバイスを使えば、高い操作性や通話品質を確保できるためZoom Phoneの価値を十分に享受できる

 さらに、「Zoom×AI」というビジョンの下、ユーザー体験や生産性を向上させるサービスを展開し始めている。営業職向けの機能「Zoom IQ」は、顧客とのミーティングを文字起こしするだけでなく、会話内容をスコア化して効果的なコミュニケーションのアドバイスをしてくれるという。

広がる「SaaS×AI」 その可能性とは?

 Zoomに限らず、SaaSとAIを組み合わせる動きが加速している。SaaS Showroom 9.1でも出展する各社がAI機能をアピールしていた。

 ビジネス向けコラボレーションツール「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパンは、AIでLINE WORKSの機能拡張を目指すとしている。同社が手がけるAI事業「LINE CLOVA」のAIOCR技術を活用した手書き文書の読み取りの他、大規模言語モデルを活用したAI秘書によるスケジュール調整やタスク管理など業務アシストの実現まで、さまざまな可能性が広がると同社の森田翔平さん(アカウントマネージャー)は語った。

photo LINE WORKSは私用のLINEアカウントにもメッセージを送れる。実際に展示ブースの担当者とやりとりしている様子

 この他、SaaS Showroom 9.1ではコラボレーションを支えるChatworkのビジネスチャットツール「Chatwork」や、Dropboxのクラウドストレージサービス「Dropbox」などが展示されており、注目を集めていた。

法務の世界にもSaaSが進出 AIを活用する「LegalForce」

 SaaS×AIという文脈で注目したいのが、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」だ。法務の業務をテクノロジーで支援する「リーガルテック」の急先鋒(せんぽう)ということもあり、提供するLegalOn Technologiesの展示ブースを訪ねてみた。

 現在、企業法務は人材不足が深刻化している上に、取引先との契約から企業コンプライアンス関連まで業務量が増加している。LegalForceは導入ハードルを下げつつも法務DXをしっかり支援できると同社の若林健太さんは話す。

photo LegalOn Technologiesの若林健太さん(マーケティンググループ マネージャー)

 目玉は、契約書の審査における見落としをAIが指摘する機能だ。契約書の修正や案件管理、過去の契約書に使用した条文の検索などをワンストップで行えるため、業務時間の短縮や品質の維持につなげられる。

 そんなLegalOn Technologiesが23年5月にリリースしたのが、ChatGPTのAPIを活用した「条文修正アシスト」機能(オープンベータ版)だ。読み込んだ契約書の内容や文脈に沿った修正文案を10秒程度で提示するため、法務担当者の手間を減らせると若林さんは期待感を示した。

SaaSでバックオフィス支援 使い勝手の良さがポイントに

 LegalForceに限らず、バックオフィス業務を支援するSaaSが目立っていた。財務経理分野では、会計・経費精算などを幅広くカバーするマネーフォワードの「マネーフォワード クラウド」や、ラクスの電子請求書発行システム「楽楽明細」が目に付いた。

 人事労務も熱い領域のようだ。SmartHRの人事労務管理ツール「SmartHR」やjinjerのクラウド型人事労務システム「jinjer」、カオナビの人材管理システム「カオナビ」、ヒューマンテクノロジーズの勤怠管理システム「KING OF TIME」、勤怠管理から給与計算まで対応するDONUTSの「ジョブカン」など多様なSaaSが並んでいた。

 どちらも専門的なノウハウが必要な職種だ。知見・人材不足といった課題を抱えている企業をサポートできるのは、導入から利用シーンまで使いやすいSaaSの特長があってこそだろう。

参加者の疲れを癒やすのは――ビールだ!

 こんな調子で展示ブースを巡りつつ、ワークショップにも参加しているとあっという間に時刻は午後4時。少し疲れが出てきていた。

 そんなとき会場内に「皆さん! 16時からパントリーでビールの提供を始めます!」というアナウンスが響いた。ビールが飲める――なんと魅惑的な響きだろうか。誘われるようにドリンクコーナーに行くと、すでに多くの参加者がビールグラス片手に談笑していた。

 筆者もグラスを手に取りサーバから注いで、すかさずぐいっと一杯。疲れた体に染み渡る冷えたビールの、それはもうおいしいこと。気分をリフレッシュできた。

photo イベント当日は金曜日。その夕方に飲むビールはおいしい

 ふと、あらためて会場内を見回すと、夕方になるにつれて参加者が増えていた。WeWorkという開放感ある場所に加えて、イベントも後半に差し掛かったからか肩の力を抜いたコミュニケーションが多く見られる。参加者や出展企業同士がリレーションシップを強化する場にもなっているようだった。

“SaaSのサーカス” 中小企業を支援するツールとは

 SaaS Showroom 9.1を巡る際に頼りになったのが、クラウドサーカスのサービスだ。同社の電子ブックツール「ActiBook」で会場案内図をスマホから確認できて便利だった。また各展示ブースにある二次元コードをスマホで読み込んで参加するARスタンプラリー「LESSAR」もイベントを楽しめる要素だった。

photo スタンプラリーの様子

 クラウドサーカスはその名の通り、“SaaSのサーカス”だ。各サービスのロゴに動物があしらわれており、PDFファイルをアップロードするだけで電子ブックにできるActiBookはヤギのマーク、ARツールのLESSARはレッサーパンダ、メール配信などで見込み客にリーチできるツール「BowNow」は犬、チャットbot「IZANAI」はイルカのマークだ。

 IZANAIを導入するには「この質問がきたらこう答える」という会話フローを設定する必要がある。クラウドサーカスではChatGPTと連携して会話フローを自動生成できるようにして、その手間を省いた。

 「クラウドサーカスでは、各種マーケティングツールを主に中小企業向けに提供しています。専門の担当者がいなくても簡単に使える設計にして、マーケティングの困りごとを解決しています」――同社の貫洞雄介さんはこう説明した。

photo 左から、クラウドサーカスの大堀洋平さん(Marketing Co-Creation事業部 パートナービジネスグループ リーダー)、貫洞雄介さん(Marketing Co-Creation事業部 パートナービジネスグループ 2課 マネージャー)

「SaaSを広めていきましょう」 アイティクラウドCEOが語る期待感

 遅めのお昼休憩を挟んでから再びワークショップなどに参加していたら、18時近くになっていた。日が落ちて会場内が落ち着いた空気に包まれ、イベントの終了が近いと悟る。

 イベントの最後を飾るのは、特別トークショー「AI×SaaSで生まれ変わる仕事のミライ」だ。アイティクラウドのCEO・黒野源太さんと、ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインの立花一雲さんが対談した。

photo 左から司会、アイティクラウドの黒野源太さん(社長兼CEO)、ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインの立花一雲さん(Investment Group Director)

 アイティクラウドは、導入済みのSaaSを一元管理できるSaaS「ITboard」を提供している。日本企業は平均で1社当たり11種類のSaaSを利用しているといい、SaaSが広がる中で管理も必要になると黒野さんは話す。

 日本で普及し始めたSaaSの中でも、2人が注目する領域がAIだ。どの技術にも応用可能で、ユーザーの課題を素早く解決できる可能性があると立花さんは言う。すでに新しく登場したSaaSの約40%は何らかのAI機能を搭載しており、これまで裏側にあったAIをユーザーが触れられるようになったことを黒野さんは紹介した。

 「これから企業が本格的にAIを活用するにはデータが必要です。あらゆる部門でSaaSを使えばデータが集まります。ベンダー企業の皆さん、パートナー企業の皆さん、SaaSを広めていきましょう」(黒野さん)

SaaSの魅力に触れる貴重な機会

 トークショーが終わり、会場では参加者同士のだんらんが始まった。しばらくすると帰宅する参加者がぽつぽつと出てきて、やがてSaaS Showroom 9.1は閉幕になった。

 最後に、主催したSB C&Sの東雅之さん(ICT事業本部 クラウドサービス推進本部 販売推進部 パートナーサクセス課 課長)に感想を聞いてみた。

 「リアルイベントの良さを実感できました。ウェビナーにはない臨場感やメールでは伝わらないニュアンスを伝えられ、出展企業と参加者が双方向にコミュニケーションしていたのが印象的です。気軽に質問できたり、SaaSの新機能を体験できたり。何よりも『楽しめた』と感想を頂けました。WeWorkの開放的な空間が効果的だったと思います。今回は東京でしたが、他の地域での開催も検討中ですので、その際にはぜひお越しください」(東さん)

photo 夕方の会場内。ビールを片手に談笑する姿が多かった

 そして筆者も会場を後にした。自宅に帰りながらぼんやりと1日を振り返ると、SaaSのさまざまな魅力に触れる貴重な体験をしたという実感が湧いてくる。各社の取り組みや工夫を学べた上に、AIの活用などSaaSが進化していく展望が垣間見えた良い1日だった。

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提供:SB C&S株式会社、アイティクラウド株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2023年9月28日