トップ対談で聴く、BoxとMicrosoft 365 Copilotで実現する生成AI「生産性革命」

» 2023年12月05日 10時00分 公開
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 ChatGPTの登場によって発生した「AIの民主化」の波はいまだ広がりを見せている。生成AIが「生産性革命」を起こしていくことは疑いがなく、業務効率が飛躍的に向上する日を多くのビジネスパーソンが待ち望んでいる。

 そのような中で特に注目を集めているのが、OpenAIの「ChatGPT」を組み込んだソフトウェア開発だ。本記事では、AIソリューション「Microsoft 365 Copilot」を発表したマイクロソフトとMicrosoft 365 Copilotとの連携をいち早く打ち出したBox Japan、両社の“AI協業”を取材。Box Japanの安達徹也氏と日本マイクロソフトの西脇資哲氏を招き、対談してもらった。

 急速に発展する生成AIはビジネスの現場をどう変えていくのか? 両社のビジョンと「仕事のミライ」を探る。

photo 右:安達徹也氏(Box Japan 執行役員 チャネル営業本部長 兼 アライアンス・事業開発部 部長)、左:西脇資哲氏(日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリスト)

――急激に発展している生成AIは、従来のAIと比べてビジネスを進める上でどのような存在になっているとみていますか。

※以下、敬称略

西脇: すでに非常に大きなインパクトが起きていると思っています。理由の一つはあらゆる業種や職種に影響が及んでいることです。ITやソフトウェアの新しいテクノロジーは、設計部門がCADを導入する、エンジニアが新しいプログラミングツールを使うなど、これまでは一部の人にしか効果がないものでした。しかし生成AIは、経営層から現場までビジネス全ての領域で活用できるものとして広がっています。

 もう一つの理由は使い方の変化です。ビジネスには調べ物をして、判断をして、作るといったプロセスがあります。生成AIによって調べ物は一瞬でできるようになり、文書やイラストなどを作る工程にも力を発揮します。「文章を作ってください」「イラストを描いてください」と依頼するだけで、人手では時間がかかるハイレベルな内容を瞬時に出力できる。これはまさに革命です。

安達: 自然言語で依頼すると自然言語で返してくるインタフェースは、人に非常に優しい設計ですよね。適切な情報を探すには、これまでは検索にコツが必要でした。それが、自然言語で指示をするだけで情報を簡単に探し出し、かつ活用できるようになった。この点はビジネスにおいて、生成AI登場の一番大きなメリットではないでしょうか。

 企業は多くの情報を持っています。その中にはメール、議事録、企画書など、日頃の業務で生み出された膨大な量と種類のデータがある。われわれはこれを「非構造化データ」と呼んでいます。生成AIの登場によって、この非構造化データを活用するハードルが大きく下がったことは間違いありません。

西脇: 安達さんがおっしゃるように、非構造化データに触手を伸ばしたのが生成AIであると、私も考えています。人は今まで、非構造化データを基に考察をして、そこからまた非構造化データを生み出すことに時間を割いてきました。生成AIは人が日々行っているそのような作業を、どう楽にするのかという現代の大きなテーマに刺さっていると思います。

企業の協業で生み出す、生成AIを活用した「エコシステム」

――マイクロソフトはOpenAIと、Boxはマイクロソフトとパートナー関係にあります。協業の背景、目的についてお聞かせください。

西脇: OpenAIが設立されたのは2015年、マイクロソフトが積極的に投資をすると決めたのは19年でした。設立されてわずか4年の会社に投資を決めたことになります。これは報道もされていますが、マイクロソフトはOpenAIに19年、21年、23年と複数年にわたって数千億円規模の投資をしています。さらに、マイクロソフトのデータセンターをOpenAIの研究者に開放し、CPUやGPU、メモリやストレージなどを存分に活用してもらった結果、今日のような生成AIの発展につながりました。

 こういった経緯もあり、マイクロソフトはOpenAIと独占的なパートナーシップを結んでいます。ソフトウェアの更新などテクノロジーの中身に手を入れて、かつ所有できるのはOpenAIとマイクロソフトだけです。日本政府がマイクロソフトを通じてOpenAIのテクノロジーを使うと表明しているのは、このような背景からです。

安達: Boxとマイクロソフトの協業については、実は歴史が長いのですよね。Microsoft 365とBoxの連携は10年ほど前から続いていました。そのような中で今回、新たに発表したのが間もなくリリースする予定の「Box for Microsoft 365 Copilot」です。

西脇: Microsoft 365 Copilotは、当社の生成AI戦略を象徴した製品です。私たちは生成AI製品を新たに世に出すことは特に考えていなくて、現在お使いいただいている当社製品に生成AIを“組み込んでいく”考え方を表明しています。

安達: マイクロソフトは積極的な投資をすることで生み出したビジネスを、囲い込むのではなくパートナーに提供することで広げる戦略を取られていますよね。

西脇: はい。Microsoft 365 Copilot は、プラグインを介してBoxをはじめとする各社のサービスと連携できます。つまり、WordやExcel、Outlook、PowerPoint、Teamsに生成AIが統合されていて、かつその上に新たなプラグインを載せることでさまざまな企業のサービスがつながるようになる――そんなエコシステムを構築することが大きな狙いです。

安達: われわれとしてもそのような環境を活用しない手はないと考え、OpenAIのテクノロジーをマイクロソフトと一緒に活用することに戦略を振り切りました。クラウドコンテンツ管理サービスであるBoxは、各企業の膨大な非構造化データをつかさどっています。そのようなBoxと、非構造化データを自然言語で活用できるMicrosoft 365 Copilotとの親和性は非常に高く、今回の協業には私もとてもわくわくしています。

BoxとMicrosoft 365 Copilotの連携によって何が実現するか?

――あらためてMicrosoft 365 Copilotとの連携機能の詳細をお聞かせください。

西脇: 最初に、Microsoft 365 Copilotがどのようなものかを簡単に説明します。まず提供については、Microsoft 365の特定のライセンスをご契約している法人さまを対象にスタートします。

安達: 提供を心待ちにしているユーザーも多いと思います。「Copilot」は副操縦士という意味ですが、西脇さんは実際にMicrosoft 365 Copilotを使ってみて仕事の進め方がどう変わると感じましたか?

西脇: そこはガラリと変わるのではないかと思います。見落としているメールが何件あるかを聞き、その中から重要なものをピックアップさせて、急ぎのメールには返信してもらう――こういった作業が簡単な指示を出すだけで行えます。その際にMicrosoft 365 Copilotが見ているのはそのメールだけではありません。今まで相手とどのようなメールをやりとりしていたのかも全て把握した上で、自然言語を介して優先度を判断したりアウトプットしたりできます。

安達: Box for Microsoft 365 Copilotは、そんなMicrosoft 365 Copilotが探しに行く先のデータソースとしてBoxを活用できるようにするものです。既存のBox for Microsoft Graphの機能が拡張される形でCopilotが利用できるようになります。最初にリリースされる予定の機能はTeamsとの連携です。例えば、Teamsでやりとりしている最中にBox内のドキュメントが共有されたり、AIに指示をすればBox内のデータの要約や解析をしてくれたりします。「Teamsの参加者の1人に生成AIがいる」。そのようなイメージですね。

――23年5月に発表された「Box AI」も、Microsoft 365 Copilot と同様にOpenAIのテクノロジーを活用していますね。

安達: Boxはデータの作成、管理、要約など業務のさまざまな場面でAIを活用しています。その一部がBoxとChatGPTを統合したBox AIです。代表的な使い方の一つは、Box Notesの中でAIを呼び出し、文章を作成できるというものです。例えば「○○のアンケートを作って」と指示すれば、質問項目を生成してBox Noteに貼り付けてくれます。AIに指示を与えるだけで、会議メモやドラフト文書などのコンテンツを作成できるため、作業効率を劇的に向上させられます。

※Boxで使用できるドキュメント作成ツール

 もう一つの使い方が、プレビュー機能との連携です。例えばBox内にある、ページ数が多いPDFをプレビューしている際に、Box AIに指示すると要約やポイントの説明を瞬時に表示できます。翻訳にも対応しているため、英語で書かれた何十ページものPDFから、日本語で要点を洗い出すことも可能です。

Box AIによるコンテンツ活用のイメージ図(Box Japan提供資料より)

 Box for Microsoft 365 Copilot、そしてBox AIはお客さまが触れるさまざまなフロントエンドとBoxに格納されているバックエンドをOpenAIのテクノロジーを活用して組み合わせていくものです。これによって、意識することなく幅広い用途に生成AIを活用してビジネスができる、そのような世界を実現できると考えています。

生成AIによって「生産性革命」の体験を

――ありがとうございました。最後に、生成AIによって変わる「仕事のミライ」と両社の展望をお聞かせください。

西脇: 今まで私たちがやってきた、面倒くさくて間違いが発生しがちな仕事がどんどん圧縮されて、時短が実現するのは間違いありません。ここで重要なのは、生成AIによってトランスフォーメーションが加速するということです。企業のDXはまず“デジタル化ありき”で業務が変わり、次にクラウド化が進みました。そして今、この2つが終わろうとしている状態で生成AIの活用が進み始めています。これによって、企業はDXよりもさらに進んだ劇的なトランスフォーメーションを実現できるはずです。

 われわれがMicrosoft 365 Copilotを説明するとき、「月額30ドルは高い」という率直なご意見を頂くことがあります。しかし生成AIの力を取り入れる効果は計り知れません。例を挙げると、顧客から得られた6000件のフィードバックを分析する際、これまで30時間かかっていたところが2分で終了します。だから生成AIの業務活用は、生産性向上の枠に収まらないほどの革命であり、トランスフォーメーションなのです。

 中には、今までの成功体験から得た暗黙知に自信を持つ企業やビジネスパーソンもいるかもしれません。しかし暗黙知は生成AIにはかなわない。今こそ多くの人に発想の転換が必要になるタイミングだと、私は考えています。

安達: おっしゃる通りです。企業がトランスフォーメーションを図る上で、情報の活用は欠かせないキーファクターです。われわれはそのための基盤としてBoxを提供していますが、何より重視しているのは各社とのパートナーシップであり、Boxはグローバルで1500ものアプリケーションと連携しています。今回、そこにMicrosoft 365 Copilotの生成AI機能が加わったことでマイクロソフトと共にエコシステムをより強固にできた。そのように自負しています。

 Boxは、今後も各社との協業を加速することで新しい価値を生み続けることができるはずです。これからもマイクロソフトと一緒に、情報活用を軸とした企業の成長を支援していきたいですね。

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提供:株式会社Box Japan、日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2023年12月24日