国内のサーバー提供体制を盤石に――SB C&Sの「発表」を読み解く

PR/ITmedia
» 2025年03月31日 10時00分 公開
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 SB C&Sとエフサステクノロジーズがディストリビューター契約(取引基本契約)を締結した――2024年12月、両社のWebサイトでこのような発表がされた。これは、エフサステクノロジーズのサーバーやストレージ、富士通のPCといった国産ハードウエアをワンストップで市場に提供できる体制が整ったことを意味する。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)推進やAI活用の波が押し寄せる今、オンプレミスのITインフラを増強しようという動きが活発化している。高性能なサーバーに熱い視線が注がれ、それを支えるストレージの重要性が増している一方で、サステナビリティに配慮した省エネルギーな製品が求められている状況だ。エフサステクノロジーズが提供するハードウエア製品なら、これらの要望に応えられる。

 SB C&Sとエフサステクノロジーズの取り組みにはどのような価値があるのか。その意義を探りながら、両社の狙いを解説する。

photo SB C&Sとエフサステクノロジーズの発表(2024年12月12日)

拡大するエッジコンピューティング市場 国産サーバーをいかに届けるか

 総務省の「令和6年版 情報通信白書」によると、エッジコンピューティングの国内市場規模は2024年に約1兆6000億円に達し、2027年に約2兆3000億円にまで拡大すると予測されている。データセンター内のサーバーやクラウドの仮想サーバーを除く数字で、オンプレミスのサーバーに対する堅調な需要を示している。

 国内のハードウエア市場で存在感を放つのが、富士通とエフサステクノロジーズの製品群だ。「Made in Japan」の品質を強みにして、PC、サーバー、ストレージなどを展開してきた。富士通のハードウエア事業を継いだエフサステクノロジーズが、PCを除くサーバーやストレージ、ネットワーク製品を提供。高品質な製品を国内で製造し、販売、導入、展開、運用、保守まで一貫して担う体制で企業を支えている。

 エフサステクノロジーズの製品をより多くの企業に届けて、DXやAI活用、仮想化基盤の整備を後押しするためにディストリビューターとして初めて直接契約したのがSB C&Sだった。エフサステクノロジーズの保田益男氏(代表取締役社長CEO)は次のようなコメントを発表した。

 「私たちは、(中略)AIプラットフォームなどのさまざまなハードウエアソリューションを提供しております。今後、SB C&S株式会社が持つ幅広い販売チャネルを通じて、さらに、多くのお客さまにハードウエアソリューションを提供することで、お客さまのDXとイノベーションに貢献していきます」

 SB C&Sは、ソフトバンクの祖業であるITソリューションの流通事業を継承するディストリビューターだ。4000社を超えるITベンダーと取引があり、取り扱う商材は約40万点に上る。これらを全国約1万3000社の販売パートナーに提供し、その先にあるエンドユーザー企業に届けている。この圧倒的な販売力を生かすことで、エフサステクノロジーズのハードウエアを多くの企業に提供する狙いだ。

 SB C&Sは、富士通のPC事業を担う富士通パーソナルズとディストリビューター契約を結んでいる。新たにSB C&Sとエフサステクノロジーズがディストリビューター契約を結んだことで「SB C&Sに問い合わせれば、PCもサーバーもストレージもまとめて手に入る」という体制が整った。販売パートナーにとっては調達や商流がシンプルになることを意味し、エンドユーザー企業は素早い納品を期待できる。

SB C&Sが扱うエフサステクノロジーズ製品  AI基盤や仮想化基盤も

 SB C&Sが取り扱う主なエフサステクノロジーズ製品は下記の通り。ここで重要なのは、サーバーやストレージはもちろん、AI基盤や仮想化基盤などをそろえているという点だ。

「PRIMERGY」
 エフサステクノロジーズを代表するサーバーで、高い処理能力と信頼性を備えている。高性能プロセッサを搭載しており、メモリ容量やストレージ構成を柔軟に設定可能。大規模な演算やAI処理、データベース運用などに対応できる。

「ETERNUS」
 大容量のデータを効率的に保存できるストレージ。高負荷の環境でも高速なデータアクセスを実現できる。高度なデータ保護機能を備えており、災害やサイバー攻撃からの復旧などに寄与する。

「PRIMEFLEX for Nutanix Enterprise Cloud XF シリーズ」
 Nutanixのハイパーバイザーに特化したプラットフォーム。サーバー、ストレージ、ネットワークを統合したHCI(ハイパーコンバージドインフラ)で、シンプルな管理が可能だ。

「PRIMERGY CDI」
 GPUやSSDなどのリソースを、用途に応じてPRIMERGYに配備する分散型インフラ(CDI:Composable Disaggregated Infrastructure)を実現する。リソースを効率的に運用できる。

「Private AI Platform on PRIMERGY」
 PRIMERGYを土台にして、大規模言語モデルや操作インターフェース(WebGUI)を搭載したオンプレミスのAI基盤。インターネットに接続せずに対話型生成AIを利用できる。

AIビジネスに注力 「AIアラウンド戦略」でAI活用を後押し

 サーバーやストレージを単体で提供するだけでなく、仮想化基盤やAI基盤を取り扱うことで企業の課題解決に直結するソリューションを提供できる。SB C&Sは多くのセールスエンジニアを抱えており、製品評価や販売パートナーに対する技術支援に力を入れている。

 例えば、日本企業が直面している仮想化製品を巡る動向に対しては、専任のエンジニアが既存製品を継続して利用するか移行するかを企業目線でアドバイスする。移行する場合は、Nutanixのハイパーバイザーを提案している。販売パートナーの支援を行うのは、Nutanixの認定プログラム「Nutanix Technology Champion」に選ばれたSB C&S在籍のエンジニアたち4人だ。2025年も同認定プログラムに選ばれており、4年連続となる。

 また、AI領域にも多くのエンジニアが所属している。SB C&SはAIビジネスを事業の柱の一つに位置付けており、サーバーやストレージだけでなくネットワークやセキュリティなどを包括的に取り扱うことで企業のAI活用を支援する「AIアラウンド戦略」を掲げている。ここでエフサステクノロジーズのハードウエアが活躍する見込みだ。

 SB C&Sは、AI活用の後押しに本気だ。IT業界のトップランナーを集めた「AI共創会議」を2025年1月に主催した。この会議にはITベンダー12社のトップが集結。エフサステクノロジーズの保田氏も参加し、AI活用による日本企業の成長を実現する方法を議論した。詳しくは以下の記事で紹介している。

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IT業界のトップランナーが集う「AI共創会議」開催 日本の成長に向けてタッグ
日本をAI後進国にしてはならない――ITソリューションの国内トップランナー企業のトップが語った「日本企業がAIで成長するための勝ち筋」とは。


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「日本企業のAI活用が進まない」はなぜ起こる? 12人の業界リーダーが指摘する真因
日本企業のAI活用を阻む課題や障壁は何か、それらを解消するポイントは。ITソリューションの国内トップランナー企業のトップが語った。


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日本企業のAI活用に「共創」アプローチが効果的な理由
AI活用は1社単独のソリューションで実現できるものではない――国内企業のさまざまな課題に向き合うためにはAIビジネスに携わる企業によるコラボレーションが必要だ。企業同士のさらなる“共創”を目指すアプローチとは。


SB C&Sとエフサステクノロジーズで「持続的な価値創造と市場の発展に貢献」

 エフサステクノロジーズとの間に結んだディストリビューター契約について、SB C&Sの草川和哉氏(代表取締役社長 兼 CEO)は次のようなコメントを寄せた。

 「本契約を通して、AI技術を活用したビジネスの成長や業務効率化を支援し、さまざまな業界におけるDXを加速させるものと確信しています。SB C&Sはエフサステクノロジーズとともに、持続的な価値創造と市場の発展に貢献します」

 契約締結が発表された2024年12月から数カ月がたち、両社の連携体制は盤石になった。2025年3月には、販売パートナーが集まるイベントが開かれた。両社のトップは何を語り、販売パートナーやエンドユーザー企業に向けてどのようなメッセージを打ち出したのか。記事化する予定なので、期待してほしい。

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提供:SB C&S株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2025年4月6日