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Winny問題を考える学会ワークショップ
情報処理学会と情報ネットワーク法学会がWinny事件を考えるワークショップを開いた。“Winnyショック”後に識者が総合的に議論する初の場となった。
情報処理学会と情報ネットワーク法学会は6月28日、「Winny事件を契機に情報処理技術の発展と社会的利益について考えるワークショップ」を東京電機大学で開催した。中立的な場で技術・法学分野の専門家に率直な意見を語ってもらい、Winny問題を多角的に考えるのがねらい。“Winnyショック”後に同問題について総合的に議論する初の場となった。
5月のWinny開発者の逮捕以降、情報処理学会にも多数の反響が寄せられた。学会として声明を出すよう求める声もあったが、「当時の学会内にはさまざまな意見があった上に、全員が全容をつかんでいるわけではなかった」(司会の佐々木良一東京電機大学工学部教授)ために見送ったという。
プログラムは技術的にP2Pを解説する前半部と、法学的な見地から関連問題を検討する後半部とに分かれる。著作権保護団体にも参加を呼びかけたが、参加を見送るとの返答があったという。
当初は一般参加者は100人の予定だったが、申し込みが殺到したため会場を変更して320人に増やした。それでも受け付けは早々に終了。参加者には研究者や学生などが目立ち、当日は立ち見が出るほどの盛況。Winny問題に対する関心の高さをうかがわせた。
ワークショップの詳報は以下の通り。
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「Winnyが挙げた成果は安易に否定してしまうことなく積極的に評価すべき」。単なる“ネット犯罪”として片付けるのではなく、情報社会に与えたインパクトを今こそ冷静に評価する必要があるだろう。Winnyをウォッチしてきた国際大学GLOCOM 助手・研究員、石橋啓一郎氏の寄稿。 - Winny作者とアインシュタインの違いは何か?
Winny開発者逮捕の知らせを受け、社会的な規制によって技術の発展が阻害される事態を不安視する声が広まっている。しかし、これは原子力研究などもはらむ問題。Winnyと原子力、両者は何が違ったのだろうか?
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