「ソニー復活」を担う「BRAVIA第2幕」
ソニーが新「BRAVIA」を発表。新ブランド効果もあって市場シェアは向上しており、「復活の戸口には立った」。新製品を投入し、年末商戦では確実な「復活」を目指す。
ソニーは8月30日、薄型テレビ「BRAVIA」の秋冬商戦向け新製品を発表した。新製品は40インチ以上の大型でフルHDモデルなどをそろえ、今後は高付加価値な大画面へのシフトを進める。新ブランドをテレビ事業建て直しの切り札として国内投入してから今秋で1年。テレビ・ビデオ事業本部長の井原勝美副社長は「新製品で復活感が出るまでに持っていきたい」と意気込む。
新製品は液晶テレビ9機種と液晶リアプロジェクションテレビ2機種。液晶テレビでは、フラッグシップ「X2500」で52V型、46V型、40V型のフルHD製品をラインアップ。各機種とも鮮明に色を再現する「ライブカラークリエーション」機能を搭載したほか、X2500シリーズは動画用色空間の新規格「xvYCC」に対応した。実売予想価格は、X2500の52V型が80万円前後など。
液晶・リアプロ計11機種のうち、40V型以上の大型モデルが9機種を占める。今年の年末には、40インチ超の世界販売比率を金額ベースで50%にまで拡大したい考えだ。大型シフトを見据え、来年秋には大型パネルを効率的に生産できる第8世代対応新ラインを稼働させる準備を進めている(関連記事参照)。
「テレビ復活の戸口に立った」
「まだテレビが復活したとは言えないが、復活の戸口に立ったとは言えるのではないか」──「BRAVIA第2幕のスタート」という新製品の発表会で、井原副社長は手応えを語った。
「テレビの復活なくしてソニーの復活はない」──中鉢良治社長が昨年9月にこう断言した翌月、旧ブランド「WEGA」を一新したBRAVIAブランドの製品が国内投入された。
同社によると現在のブランド認知度は50%を超え、BRAVIAブランドを先行投入した世界市場を合わせシェアも改善。2006年度第1四半期の世界市場シェア(金額ベース)は16%とトップを維持。同期の平均単価も、市場平均の141ドルを4割近く上回る194ドルと、高水準で推移している。
前日にはBlu-ray Discのソフトタイトルを一斉に発表(関連記事参照)。11月に発売される「PLAYSTATION 3」や、好調なHDビデオカメラなどと組み合わせ、年末商戦ではソニーファミリーによるHD化キャンペーンを展開する。
業界で懸念されているサッカー・ワールドカップ商戦後の在庫水準は「想定より少し高い」(井原副社長)が、「先行きの見通しのマイナス要因になるほどクリティカルな水準ではない」という。課題だった欧州市場の改善も進み、井原副社長は「年末には一層のシェア向上を実現できるのでは」と期待した。
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