米空軍の大佐が軍事情報誌「Armed Forces Journal」(AFJ)の4月号に、軍事ボットネットの必要性を説く論文を寄稿した。フィンランドのセキュリティ企業F-Secureは5月13日のブログでこの論文について、説得力に欠けると批判している。
米空軍のチャールズ・ウィリアムソン大佐はAFJ誌に「サイバースペースにおける絨毯(じゅうたん)爆撃」という論文を寄稿。米国はサイバースペースで軍、民間とも高度な攻撃に直面しているにもかかわらず、信頼できる抑止力を持っていないと述べ、「米国は実力行使のためのaf.milネットワーク(ボットネット)を構築する必要がある」と力説した。
米軍ボットネットは他人のコンピュータを乗っ取って操るのではなく、「自分たちのリソースで十分な威力を形成できる」と主張している。これに対しF-Secureは、犯罪者は世界各地で盗んだリソースを使っているため出所を突き止めるのは難しく、「af.milボットネットは成功のための重要な要素が欠けている」と批判した。
さらに、同大佐が敵は米国外にいると想定している点も突き、「空軍ボットネットの利用を正当化するほど大きな脅威は、米国内にある可能性も大きい」とF-Secureは指摘。「攻撃は最大の防御」という法則は、法に従う意思があるのなら、サイバー攻撃には当てはまらないとの見方を示している。
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