CEATEC会場でリニアモーターカーに乗ってみた:CEATEC JAPAN 2008
CEATEC会場にある1人乗り用リニアモーターカーに乗ってみた。車体は静かに浮かんで発進。モノレールのような乗り心地だ。
1人乗り用リニアモーターカー実機が、9月30日に始まった「CEATEC JAPAN 2008」(千葉・幕張メッセ)に登場した。電子部品製造のタイコエレクトロニクスアンプ(川崎市)が、自社技術のPRのために製造したもの。多くの人が同社のブースで足を止め、車体が浮く様子に見入ったり、写真を撮ったりしていた。抽選で試乗もできる。
15メートルの直線レールの上で、長さ2メートル・重さ256キロの車体が約1〜2センチ浮き、人が歩く程度のスピードで前進。レールの最後まで行くと、バックで戻る。
座席に備えたタッチパネルの「浮上」ボタンを触ると浮き、「発進」をタッチすると動きだす仕組みで操作は簡単。乗員が浮上や発進を操作できるリニアモーターカーは世界初という。
記者もリニアモーターカーに乗ってみた。まずは「浮上」ボタンにタッチ。浮かび上がる感覚はほとんどなかったが、どうやら浮上したようで、パネルには「発進」ボタンが現れた。発進ボタンにタッチすると、音もなくすぐに動き出した。レールの電磁石と反発したり引き合う際に少し揺れるが、走行はとてもなめらか。モノレールに乗っている感覚に近いように感じた。
車体は断面が「凸」の形のレールを挟むようにして、レール上に乗っている。車体の裏面とレールには永久磁石が付いており、N極同士、S極同士が向かい合うように配置。発車時にレールの永久磁石がせり上がり、反発力で車体が浮かぶようにしている。
浮上した車体は電磁石の力を応用して進む。電磁石は、車体に挟まれたレールの突起部分の両側面に並んでいる。電磁石に流す電流の向きを変えてN極とS極を切り替えると、車体に付けられた磁石と反発したり、引き合ったりする力が生まれるため、車体が進むという原理だ。
学習研究社主催の「学研科学大賞」で選ばれた、人が乗れる手作りリニアモーターカーのアイデアを元に、同社の電子部品約20種類を使って制作した。これまで同社がリニアモーターカーを開発したことはないが、自社製品をアピールして身近に感じてもらうため、制作・展示を決めたという。浮上や発進を操作するタッチパネルも同社製品だ。
説明員は「リニアモーターカーに限らず、先進的なものに自社製品が使えることを今後もアピールしていきたい」と話していた。
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