mixiアプリで「20代女性中心」から脱却へ 開発者イベントで笠原社長
ミクシィは、20代女性中心だったmixiのヘビーユーザー層を「mixiアプリ」で広げる狙いだ。23日に開いた開発者イベントには、開発元として、SNS向けアプリ専業の米国ベンチャー企業も登場した。
「mixiはスタート以来5年、日記を中心とした、若い女性中心のコミュニケーションサービスだった。次のステージに進みたい」――ミクシィの笠原健治社長は4月23日、都内で開いたイベント「mixiアプリカンファレンス」で、開発者にこう呼び掛けた。mixiアプリ投入は「会社としても最重要で、過去最大の変革になる予感を持ってる」という。
mixiの中心ユーザーは20代女性で、全体の3割を占めている。キラーアプリとなっている「mixi日記」がこの世代に受けていることが主な要因だ。だが、日記が苦手な人はmixiを敬遠しがちで、ユーザー拡大のボトルネックにもなっている面もある。打開策として期待しているのが、社外の開発者が開発する「mixiアプリ」だ。
「30代男性や家族、恋人同士など、ユーザー属性に応じたコミュニケーション形態があるだろう。今後5年間の目標は、日記以外の多彩なコミュニケーションサービスを作ること」と笠原社長は述べ、mixiアプリを通じ、多様なコミュニケーションサービスをスピーディーに出していきたいと話した。
米国には「ソーシャルアプリ専業企業」も
イベントには、SNS向けアプリケーション開発専業の米RockYouなど、mixiアプリ提供企業4社の代表者が登場し、アプリが創出する市場への期待や、企画中のアプリについて話した。
RockYouは、FacebookやMySpace、中国のSNSなど世界のSNSにアプリを提供しているベンチャー企業。ソフトバンクと組んで2月、日本法人・ロックユーアジアを設立した。
同社製アプリのアクティブユーザーは1億以上、ページビュー(PV)は月間40億あるという。月間200億PVのソーシャルアプリの広告ネットワーク事業も展開。「ソーシャルアプリは口コミ効果でユーザーが急増し、広告収入が拡大する」とRockYouのジャ・シェンCTOは話す。mixiには、ペットを育てるアプリを日本語化して提供する。
リクルートは、社外の開発者や企業と協力して30種類のアプリを投入する予定。禁煙の状況を友人同士で伝え合い、励まし合う「みんなで禁煙マラソン」などをそろえた。バンダイナムコゲームズは、ケーキの画像をみんなでデコレーションし、マイミクの誕生日をお祝いできるというアプリを提供する。
アプリ開発企業を支援する「mixiファンド」出資第1号のコミュニティファクトリー(ミクシィが2000万円出資)は、マイミク同士のグループチャットやゲームアプリなど、コミュニケーションを重視したアプリを用意しているという。
イベントには、mixiアプリが準拠しているOpenSocialの提唱元・Google日本法人の辻野晃一郎社長も登場。「オープンなプロジェクトにmixiが参加するのは有意義」などと歓迎した。
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