「3D産業革命をリードする」 パナソニック、初の「3D VIERA」
世界初となるフルHD対応3Dテレビをパナソニックが4月に発売。「3D産業革命を起こし、パナソニックがリードしていく」と意気込む。
パナソニックは2月9日、世界初のフルハイビジョン(フルHD)対応3Dテレビとなる「3D VIERA」2機種を4月23日に発売すると発表した。新開発のPDPを採用することでクリアな3D映像が楽しめるという。「Blu-ray 3D」対応のレコーダー、プレーヤー合計4機種も同時に発売する。映画「アバター」のヒットで3D映像への機運が高まっており、同社は「3D産業革命をリードしていきたい」と力を込める。
発売するのは「VT2」シリーズの54V型と50V型。オープン価格で、実売予想価格は54V型が53万円前後、50V型が43万円前後。
左眼と右眼で交互に再生される映像を専用眼鏡を通して立体視するフレームシーケンシャル方式を採用。3D表示する場合、2D映像から倍速となる120分の1秒で映像を交互に表示する必要があるため、新PDP「フル・ブラックパネル」を開発。発光効率を09年パネル比で2倍に高めた蛍光体の採用などで残光時間を短縮し、眼鏡もPDPの発光タイミングに合わせた専用品を開発、交互の映像が残像で重なり合って見えてしまう「二重像」を抑え、クリアな3D映像を再生できるという。
同時発売のレコーダー「ブルーレイDIGA」3機種とBDプレーヤー1機種は、MPEG-4 MVC(Multiview Video Coding)のデコードに対応した新「UniPhier」を搭載し、Blu-ray 3Dの再生に対応する。
MPEG-4 MVCは同社がBlu-ray Disc Associationに提唱して採用されたコーデック。専用二眼カメラで撮影された3D映像のデータ量は2Dの2倍になるが、MPEG-4 MVCは左右の映像で共通な部分を共用することで圧縮率を高め、データ量を2D映像の約1.5倍に抑えることができる。新Uniphierはデコード能力を高め、3D再生に必要なフルHD2チャンネルの同時処理とMPEG-4 MVC対応をワンチップで実現している。
DIGAの実売予想価格は2TバイトHDDモデルが30万円前後、1TバイトHDDモデルが20万円前後、750GバイトHDDモデルが16万円前後。プレーヤーは13万円前後。
「3D元年」に
「日本のカラー放送開始から50周年となる今年、ついに家庭のリビングで3D映像を楽しめる3D元年になった」──同社の西口史郎デジタルAVCマーケティング本部長は発表会で、3D VIERAの発売による「3D元年」を宣言。「個人的な感想だが、映画館より距離が近く、コントラストも高いため、没入感や臨場感が高い」と自信を見せた。
3D VIERAとBlu-ray 3D再生対応機の実売価格は、2Dの同等モデルと比べて合計で9万円程度のアップに抑えた。3Dの普及に向けて「買い求めやすい価格にした」という。
まずは3Dの臨場感の高さを実感しやすい50V型以上の大型から投入するが、今後サイズ展開を拡大していく計画。家庭で3D映像を撮影できるムービーカメラの開発も進めているという。西口本部長は「2000年代はデジタル化が進んだが、2010年代は3D産業革命を起こし、パナソニックがリードしていきたい」と意気込んでいる。
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