Cisco、“トラフィック容量12倍”の新ルータシステム「CRS-3」発表
Ciscoの新ルータシステムは「中国全国民13億人が同時にテレビ電話を使える」規模のネットワークを実現できる322Tbpsの性能を持つ。
米Cisco Systemsは3月9日、次世代インターネットに向けたルータシステム「Cisco CRS-3 Carrier Routing System(CRS)」を発表した。急速に成長するビデオ配信、モバイル端末、オンラインサービスといったネットワークビジネスを支える基幹となるという。
CRS-3は、最高で毎秒322テラビットの処理性能を持つ。これは前モデル「CRS-1」の3倍、競合のルータの12倍に当たり、米国議会図書館のすべての印刷物を約1秒でダウンロードでき、中国の全国民13億人がテレビ電話を同時に使える性能だとしている。また、競合ルータよりも最高で60%のコスト削減が可能という。
同社は、ビデオやモバイルでの大量で多方向のトラフィックに対応するための新システム「Cisco Data Center Services System」も発表した。このシステムは、CRS-3、Cisco Nexus製品、Cisco Unified Computing System(UCS)を接続し、クラウドコンピューティングの統合サービス提供を可能にするという。同システムはIPv6とIP/MPLSに対応しており、Ciscoが掲げる次世代IPネットワーク構想「IP NGN」の実現を可能にするとしている。
米通信大手のAT&Tは、CRS-3を使ったニューオーリンズとマイアミ間で100Gbpsバックボーンネットワークの実証実験を行い、成功したと発表した。
CRS-3はCRS-1と互換性があり、CRS-3の発売後もCRS-1の販売は継続する。CRS-3の発売時期は明記しておらず、「現在実証実験中」となっている。価格は9万ドルから。
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