「すごい……」 美少女ロボ「未夢」のダンスに驚嘆:デジタルコンテンツEXPO(2/2 ページ)
美少女ロボット「HRP-4C 未夢(ミーム)」が披露した歌と踊りは想像以上のなめらかさ。目の当たりにした人からは、ため息がもれていた。動画あり。
動作の節目になる特徴的な姿勢「キーポーズ」を設定し、キーポーズ間をつなぐことで動作を作る仕組み。ただつなぐだけではなく、ロボットがバランスを保てるよう自動で動きを補正するのがミソだ。ポーズはCGのロボット像を見ながら指定でき、細かく数値を変えて調節していける(コレオノイドの解説も含むイベントセッションの映像)。
産総研は、人間の踊り手の動きをモーションキャプチャし、ロボットに踊らせる技術も開発している。ただ、この技術で振り付けするには、人間の踊り手が必要。コレオノイドなら、踊れる人がいなくても振り付けが可能だ。
未夢の振り付けは、中岡さんとSAMさんが相談しながら作ったという。まず手足の大きな動きを作った上で、細かな動きを調整。腰の動きに合わせて首を動かすなど、人間っぽい自然な動作を再現するのに腐心した。足をクロスさせたり、手と手を触れ合わせたりなど苦手な動きは避けつつも、片足立ちなど難しい動きにもチャレンジ。片足で立ってる瞬間は、倒れてしまわないかと関係者一同、はらはらしていたという。
振り付けで苦労したのは、「ロボットの速度が出ないこと」(中岡さん)。動きをスピードアップしたいと、強く思ったという。人間っぽい表情の変化や、首や目線の微妙な動きなどもあまり再現できなかったと感じており、今後は微妙な表情が自動で付けられる仕組みを作っていきたいと話す。
産総研は、ぼかりすの歌い手の歌唱動画の表情を未夢に移植できる「VocaWatcher」という技術も持っているが、今回のダンスでは、表情は手作業で付けているという。
産総研知能システム研究部門副研究部門長の横井一仁さんは、「プロと組まないと、ロボットがどこまで動かなくてはならないかなど、本当の要求仕様が分からない。こういうコンテンツのときにはこういう性能がいると分かれば、いろんな場面で活躍するロボができるのでは」と展望する。
ロボットはテレビの受像器のようなもの
未夢に踊らせる「ロボットダンスプロジェクト」は、昨年のデジタルコンテンツEXPOのセッションで発案。1年かけて内容を練り、実現した。
「ロボットはテレビの受像器のようなもの」と、東京大学IRT研究機構の石川勝 特任研究員は話す。「ロボットはある意味メディア。どんなコンテンツを載せるかで、介護ロボにもダンスロボにもなる。技術者ではない人でもいかにコンテンツを作れるようにするかが、ロボットの広がりを持たせる」(横井さん)
制御ソフト「コレオノイド」は未夢だけでなくさまざまなロボットで使えるという。今後、広く一般公開し、さまざまなクリエイターとともに、人型ロボットの新たなコンテンツを開発していきたいとしている。
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