日本通信、コンシューマー市場に集中 「SIMロックフリー社会の実現者に」
MVNOによる安価な法人向けデータ通信サービスを展開してきた日本法人が方針を転換、今後はコンシューマー市場にシフトする。SIMロックフリー化の流れに乗り、単体SIMカードの販売などが伸びているという。
日本通信は10月19日、コンシューマー市場に経営資源を集中すると発表した。従来は安価な法人向けモバイル通信サービスを中心に据えていたが、競合の激化に加え、SIM単体販売などコンシューマー向けビジネスが好調なことから、方針を転換する。
同社の営業損益は2007年3月期から4期連続で赤字が続いている。黒字転換を掲げる今期、7〜9月期は売上高が前年同期比40%増となり、連結EBITDAは3000万円の黒字に、9月単月の営業損益もほぼとんとんになったという。単体SIMカードなどの販売が伸びており、9月の単体売上高のうち65%をコンシューマー向け製品が占めたとしている。
同社はMVNO(仮想移動体通信事業者)方式で安価なデータ通信サービスを法人向けに提供するビジネスを進めてきたが、法人向け通信市場はキャリア大手も拡販を進めており、競争が激化。一方、SIMロックフリー化の流れに乗ったコンシューマー事業が伸びていることから、「MVNO市場がオープン化され、普及期に移行した現在において、その差別化戦略を維持していくためのリソースには限りがある」としてコンシューマー市場へのシフトを決めた。
これに伴い、法人向けビジネスに従事していたスタッフを中心に大幅な人員削減を実施するため、9500万円を特別損失として計上する。
同社は「これまでMVNOの実現者としての役割を担ってきたが、これからは、さらにSIMロックフリー社会の実現者として、新たな戦略を描いていく」としている。
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