今度は日本語 「1Q84」海賊版、またiTunesに
村上春樹さんの小説「1Q84」の海賊版とみられるアプリがApp Storeにまた登場。日本語のアプリだが、販売元は中国の業者とみられる。
iPhone/iPadアプリを販売するiTunesの「App Store」で、村上春樹さんの小説「1Q84」(新潮社)の海賊版とみられるファイルが販売されている。日本語のアプリだが、販売元は中国の業者とみられ、知らずに購入したユーザーがレビューで「こんなものにお金を払ったのが腹立たしい」などと憤っている。
「[村上春樹]1Q84 BOOK1-3」というタイトルで、「AppStudio2000」と名乗る業者が11月24日に発売。230円で販売されている。
レビューには「横書きで読みにくい」「文字がデカすぎて改行だらけ、スクロールも硬い」「最後まで読めず、途中で終わる」などと書かれており、アプリの質も低いようだ。「買ってから海賊版と気付いた。すぐにAppleに連絡したが、販売継続している」と報告しているユーザーもいる。
同じ業者は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」(新潮社)の日本語アプリも230円で販売。1Q84の中国語版、ドイツ語版の海賊版とみられるファイルも別の業者が販売しており、中国語版は115円、ドイツ語版は3900円という高値が付いている。
1Q84は、11月にもApp Storeで中国語の海賊版が販売されて話題となり、削除された経緯がある。App Storeでは電子書籍に限らずさまざまなアプリの海賊版が販売されおり、Appleのチェック体制を疑問視する声もある(電子書籍だけじゃない 無断転載の海賊版アプリ、iTunesで横行)。
アップルジャパンの広報担当者は、取材に対し「著作権者から著作権侵害の申告があれば、迅速・適切に対応する」とコメントしている。
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