つぶやきを大きな声に 「Togetter」で起業、開発者が語る“まとめ”の力(2/2 ページ)
「Togetter」で起業した開発者の吉田俊明さん。「Togetterは小さな声を広く一般に伝える拡声器」と“まとめ”の可能性を語る。
「自分が開発したサービスに独立せざるを得ない状態に追い込まれた」と冗談っぽく語る吉田さん。まさか自分が社長になるとは、1年前には思いもしなかったという。
トゥギャッターの社員は吉田さん1人だ。資本金は非公開。都内のあるIT企業から、Togetterの営業活動や資金面をサポートしてもらっている。収益源はTogetterに掲載する広告。今後はTogetterのまとめに説明を加えたり、内容を要約したりした上で、外部に有料で提供したり、提供先での広告売り上げを提供先とシェアする――といったビジネスも検討している。
Togetterは「拡声器」「メディア」
吉田さんはTogetterを「メディア」と表現する。「情報発信ツール」というイメージだ。個人のつぶやきがTogetterでまとめられ、それをもとにネット上で議論が起こるように、「Togetterは小さな声を広く一般に伝える拡声器みたいな感じ。それはメディアがもともと持っている本質という気がする」と語る。
12月にスタートしたTogetterの英語版「Chirpstory」(チャープストーリー)は、Togetterよりシンプルで、まとめのタイトルの文字サイズが大きいなど、海外のニュースサイトを参考にしたデザイン。海外のユーザーに「普段ネットニュースを読んでいるのと同じ感覚で、Chirpstoryを受け入れてもらえれば」と期待する。
海外展開は、Togetter開設当初からチャレンジしたいと考えていた。GoogleやFacebookが世界的なサービスに育っていったように、Webサービスで起業し、世界を目指していくことは「Web業界では自然な流れ」と話す。
Chirpstoryは公開されたばかりで、アクセスや作成されたまとめの数はまだまだ少ないが、1つのまとめをきっかけに急激にアクセスを伸ばしたTogetterのように、Chirpstoryも「RTの連鎖が止まらないようなコンテンツができれば」ブレイクするのではと考えている。吉田さん自身もChirpstoryでまとめを投稿し、地道にコンテンツを増やしている。
今後の目標をたずねると、「Togetterを中心にして、つぶやきで世界が変わったら面白いと思っている」という答え。「Twitterはこれまでは無視されてきた小さな力を大きな流れに変える力を持っている。Togetterはその力をさらに強くできる。Togetter発で政治や政策が変わったりしたら面白いですね」
つぶやきがTogetterを通して広まることで「1人のクレームや誰かのちょっとした失敗が、企業や政治に大きな影響を及ぼしてしまうかもしれない」という難しい側面もある。「まだまだTogetterは進化の途中。ユーザーのみなさんと新しい形のメディアプラットフォームの進化を楽しみたい」
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