AmazonのKindle、2010年の販売台数は800万超えか
Kindleの2010年の販売台数は500万台と予想されていたが、それ以上のペースで伸びているようだ。
米Amazon.comの電子書籍リーダー「Kindle」は、2010年に800万台以上売れるかもしれないと、Bloombergが伝えている。500万台前後という従来予想を超えるペースだ。
Amazonは従来、Kindleの販売台数の公表に消極的だが、同製品を自社サイトのベストセラーアイテムの1つとうたっている。同製品は電子書籍リーダーの成長トレンドの皮切りになったと広く評価されているが、今はソニーやBarnes & Nobleの製品だけでなく、電子書籍閲覧アプリを備えたAppleのiPadとも競い合っている。
Bloombergの12月21日付の記事は、Kindleは2010年に500万台売れると予想するアナリスト調査も引き合いに出している。「Amazonの販売予測を知る」匿名の情報筋は、800万台との見通しを示している。
この数字が正確なら、Gartnerの最近の予測を大幅に上回ることになる。Gartnerは世界の電子書籍リーダーの販売台数は、2010年に前年比79.8%増の660万台になると予測していた。同社は2011年の販売台数は68.3%増えて1100万台に達するとも示唆している。
「ネット対応の電子書籍リーダーの市場は過去2年間で劇的に成長している。それをけん引しているのが主に北米でのAmazonの電子書籍リーダーの売り上げだ」とGartnerの主任調査アナリスト、ヒューグース・デ・ラ・ベルニュ氏は8日に同社サイトの発表文で語っている。しかし「北米やその他の市場の成長は、AppleのiPadのようなメディアタブレットの成功に押さえ込まれるだろう」とも述べている。
Amazonは電子書籍リーダー市場でかなりのシェアを得ているとみられるが、多方面で新たな競争に直面している。Googleは6日に独自の電子書籍ストアを立ち上げ、Web上で約300万冊を提供している。Googleの閲覧ソフトではさまざまなデバイスに対応し、ソニーのReader、AppleのiPad、iPhone、GoogleのAndroidスマートフォン、Barnes & NobleのNOOK、さらにDRMなしの電子書籍に限ってはKindleでも閲覧できる。
これに対し、AmazonはKindle for Webアプリを計画している。Webブラウザ経由で電子書籍を購入して読めるアプリだ。これは既存のiPhone、Windows PC、Mac、BlackBerry、iPad、Android、Windows Phone 7デバイス向けのアプリを補完するものだ。
Amazonはまた、iPadからのプレッシャーにもさらされている。ChangeWave Researchの最近の調査では、電子書籍リーダー市場におけるiPadのシェアが8〜11月に16%から32%に拡大したことが示唆された。同じ期間に、KindleはソニーのReaderやNOOKは大幅にリードしているものの、シェアは62%から47%に低下した。
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