血糖値を「らくらくホン」でらくらく記録──富士通とアークレイ、糖尿病患者支援サービス
富士通とアークレイは5月16日、携帯電話を用いた糖尿病患者支援サービスを発表した。これまで患者にとって面倒であった手書きでの血糖値記録を自動化するという。
富士通と医療機器メーカーのアークレイは5月16日、携帯電話を利用した糖尿病患者支援サービス「からだライフ 糖尿病サポート」を共同開発したと発表した。富士通製の「らくらくホン」とアークレイ製の血糖測定機を専用ケーブルでつなぐことで、毎日手書きで記録していた血糖値データを携帯電話上に自動で記録し、自己管理を支援する。サービスはNTTドコモ向けiアプリとして提供し、6月末に有料(月額525円)で開始する予定だ。
血糖値データに加え、携帯電話内蔵の歩数計の数値(歩数/消費カロリー)も自動で記録。インスリン注射データ(薬名/単位)、通院時の検査値(HbA1c)や日々の食事内容、健康機器と連携した体重・血圧、患者の「ひとこと日記」──なども入力して記録できる。血糖値と歩数の相関データや、目標値との対比などをグラフで確認する機能も備える。
携帯電話に記録されたデータはクラウドサーバに自動送信されるため、患者はアップロードなどの作業をする必要はなく、PCからもデータ閲覧が可能だ。記録したデータは「自己管理レポート」として印刷できるほか、あらかじめ指定した送信先へのデータ自動送信にも対応。送信先に家族を設定しておくことで、「孤独になりがちな治療中の生活改善に家族も積極的に参加できる」としている。
サービス対象端末は「らくらくホン ベーシック3」「らくらくホン7」「らくらくホン6」「らくらくホンV」「らくらくホンプレミアム」を予定。富士通の寺師和久ユビキタスビジネス戦略室長は「技術的には普通の携帯電話にも対応可能だったが、シニアの人に使ってもらいたい(のでらくらくホンに限定した)」としている。
また、携帯電話を用いた健康サービスを展開している他社との差別化について、「すでに“らくらくホン”を使っている人々に呼びかけることで、サービスを理解してもらいやすい」(寺師室長)とした。そのうえで、「今後2〜3年の間で2万件の契約数を目指す」という。
サービス利用料金は月額525円で、測定機代・ケーブル代は別途必要。9月末までサービス利用料金の無料キャンペーンを実施する。
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