KDDIと楽天が提携 auかんたん決済でEdyチャージ、ネットとリアル連携
KDDIと楽天が提携し、電子マネー「Edy」を「auかんたん決済」でチャージ可能に。KDDIはキャリア決済にEdyを連携させることで、リアルとの結びつきを強化していく。
KDDIと楽天は6月29日、電子マネー「Edy」を利用した決済連携などで業務提携すると発表した。まずKDDIの「auかんたん決済」を利用してEdyをチャージできるようにする。KDDIは決済サービスを起点にリアルとの結びつきを強化し、楽天は傘下のEdyの普及拡大を図っていく。楽天の三木谷浩史社長は「世界で最も進んだ『O2O』(オンラインからオフラインへ)になるのでは」と期待する。
提携で「Edy|au」(エディエーユー)を立ち上げ、8月4日からauかんたん決済によるEdyチャージ機能を提供。Edyのチャージ金額をauの通信料と合算して支払うことができるようにする。また9月27日からは、スマートフォンでEdy残額が減った時に自動的にチャージする「Edyオートチャージ」を、auかんたん決済で利用できるようにする。
今秋には楽天市場で購入した商品の代金をauかんたん決済で支払えるようにするなど、決済プラットフォームを相互に活用して決済の拡大を図っていく。
プリペイド型電子マネーのEdyはこれまでに約6420万枚を発行し、うち1290万枚が携帯電話。5月の月間決済件数は3000万件に上っている。KDDIのauかんたん決済はデジタルコンテンツの購入などが中心だったが、今回の提携を通じ、携帯ユーザーに利便性の高いキャリア決済をリアル取引に組み込んでいく狙い。購買履歴の分析などを通じ、Edyに対応したリアル店舗への送客拡大も図っていく。
楽天はEdyを運営するビットワレットを傘下にし、昨年1月からEdyを展開してきた。従来のチャージ方法はコンビニ店頭などのレジやクレジットカードなどだったが、キャリア決済への対応やスマートフォンによるオートチャージへの対応でより便利になり、取引額の拡大を見込む。
KDDIの田中孝司社長は、同社が掲げる「3M戦略」(マルチユース、マルチネットワーク、マルチデバイス)では「ネットだけではなくリアルの世界とも連携したいと思っている」と話し、ネットとリアルの連携で利便性を高めた新しいサービスを展開していく。普及が見込まれるNFC向けサービスでも楽天と協力していく考えだ。
楽天の三木谷社長は「日本がずっとやってきた電子マネー、auが持っている資産を組み合わせることで、世界で最も進んだO2Oになるのでは」と期待を寄せている。
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