米McAfeeは9月7日、車載システムのセキュリティ問題にスポットを当てた報告書を発表し、こうしたシステムが不正アクセスされて消費者の安全が脅かされる危険が高まっていると警鐘を鳴らした。
自動車のあらゆる部分に電子システムが組み込まれるようになった今、こうしたシステムに対するハッキングの危険が浮上してきたとMcAfeeは解説。これまでの研究でも、自動車の電子部品に物理的にアクセスできれば安全装置をハッキングできてしまうことや、RFIDタグを使って車を追跡できてしまうことなどが実証されていると指摘した。
車内でもネットやメールを使いたいというコンシューマーの要望を受けて、自動車メーカー各社はスマートフォンやタブレット端末と自動車との連携を強化する方向にある。しかしこうした機能強化を急ぐあまり、セキュリティ対策が後手に回ることもあるという。
報告書では、車載システムが不正アクセスされた実例を検証。携帯電話を使って遠隔操作でロックを解除し、車を始動させたり、ドライバーの居所や行動を追跡したり、カーナビを妨害したりといったサイバー犯罪に伴うリスクについて分析している。
「自動車のデジタル技術に組み込まれる機能が増えるほど、攻撃や不正制御の脅威は増す。自動車のハッキングは身の安全に対する差し迫った危険に直結しかねない」とMcAfeeは警告している。
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