「未来は選べる」──選べる自由を掲げるauの新コンセプト
KDDIの田中社長は新コンセプト「未来は選べる」を掲げ、ユーザーがスマートフォンやネットワークを自由に選べる選択肢を用意していく方針だ。
KDDIは9月26日、スマートフォン「IS series」の秋冬モデル6機種など新製品を発表した。社長就任発表から1年を迎えた田中孝司社長は、auの新しいコンセプトとして「未来は、選べる」を掲げ、スマートフォンやネットワーク、サービスをユーザーが自由に選べる魅力的な選択肢を用意していく方針だ。ただ、「iPhoneは選べるようになるのか」という質問には「ノーコメント」を貫いた。
就任発表以来、「auのワクワク感」を掲げてきた田中社長は、初のWindows Phone端末を含むスマートフォンラインアップ拡充やWiMAXの本格化、定額制音楽配信サービス「LISMO unlimited」など、この1年の展開を振り返り、「スマートフォンやネットワークなどを選べることがワクワク感につながるのでは」という。
「携帯電話会社は選択の余地をあまり示してこなかったのではないか」と垂直統合的な従来型のサービスを反省し、「どんな未来になるのか、その期待は個人個人によって違う。提供側の論理を押しつけるのではなく、お客が自ら選ぶ時代になっているのでは」と、「選べる自由」を用意してユーザーの多様なニーズに応えていく新コンセプトを説明する。
秋冬モデルのスマートフォン6機種のうち、「HTC EVO 3D ISW12T」(台湾HTC製)、「ARROWS Z ISW11F」(富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製)など4機種がデュアルコアプロセッサを搭載。「サクサク速いスマートフォンを選びたい」というニーズに応えるという。またデュアルコア端末はWiMAXにも対応しており、「サクサク速いネットワークを選びたい」というユーザーにアピールしていく。
またauユーザー同士なら通話(午前1時〜午後9時)とCメールが無料になる「プランZシンプル」を月額980円でスタート。ソフトバンクモバイルの「ホワイトプラン」と同様のプランを用意して巻き返しを図る。端末で撮った写真を自宅PCに自動保存できる「Photo Air」をEye-Fiと協力して開始するほか、セキュリティ対策サービスを月額315円で提供するなど、サービスも拡充する。
発表会では報道陣からiPhoneについての質問が相次ぎ、田中社長は「先週から色んな記事が出ているし、多数の方から質問を受けている。申し訳ないのだが、全てノーコメント」と述べた。
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