Google、東北で中小企業向けECサイト作成ワークショップ 「売り方と売り先変える」
Googleが東北地方の中小企業のECサイト作成を支援するワークショップを始める。気仙沼市の菅原市長は、ECサイトによって地域産品の「売り方と売り先を変える」と意気込む。
Google日本法人は7月31日、宮城県気仙沼市をはじめとする東北各地の中小企業向けに、ECサイトの構築支援ワークショップを始めると発表した。同社が昨年9月に始めたWebサイト作成支援サービス「みんなのビジネスオンライン」を活用し、サイト作成目的の洗い出しから実際のサイト構築までを指導していくという。
7月11日には、気仙沼市内で試験的に事前ワークショップを開催。同市内の中小企業関係者36人が集まり、市の特産品を販売するECサイトなどが複数作成されたという。次回の開催は8月末を予定しており「より多くの市民の参加を期待している」と同市の菅原茂市長は話す。
みんなのビジネスオンラインは、業種別に用意されたテンプレートを使って「知識や経験がなくてもわずか15分で」Webサイトを作成できるというサービス。「.jp」などの独自ドメインやeコマース機能などを使えるのが特徴で、最初の1年間は無料で利用できる(2年目以降は月額1470円)。
Google日本法人の伊佐裕也氏によれば、同サービスによってこれまで約5万件のサイトが作成されたという。新たに実施する東北地方向けワークショップでは、他地域での成功事例の紹介などを通じて「Webサイトを作るだけでなく、どのようにすればオンラインで成功するのかというコンサルティングのような形でやっていく」(伊佐氏)としている。
また、Googleはみんなのビジネスオンラインで作成されたWebサイトへの集客支援は現時点で行っていないものの、今後はワークショップで作成した東北のECサイトを1カ所にまとめて紹介するサービスなども「考えている」(伊佐氏)とした。
菅原市長は「震災から1年4カ月たち、(こうした活動が)市民に受け入れられるようになったし、求められるようになってきた」「(ECサイトによって)売り方と売り先を変え、地域の各社がイノベーションを起こしていく。その積み重ねが“創造的復興”につながるはずだ」と話している。
関連記事
- Webサイトを「15分で」無料作成――Google、中小企業向けWebサイト作成支援サービス
企業のWebサイトを15分で作成できる「みんなのビジネスオンライン」をGoogleがスタート。KDDIと協業する。 - 地震、その時Googleは 「1秒でも惜しい」と怒涛の開発、海外にもバトンつないで
Googleは震災後、「Person Finder」「自動車・通行実績情報マップ」など関連サービスを立て続けに公開した。“開発基地”は東京オフィスの隅のこたつ机。「1分1秒でも惜しい」という思いでひざを突き合わせて議論していた。 - Google、写真と動画で紡ぐ「未来へのキオク」 復興支援で新プロジェクト
Googleが震災前後の様子を写真・動画で共有する「未来へのキオク」をスタート。YouTubeには、被災地の新聞社と協力し、現地の企業や商店の情報を発信する動画チャンネルも。 - 震災の記憶、未来へいかにつなぐか──デジタルアーカイブの挑戦
東日本大震災の記録を残すデジタルアーカイブが続々と公開されている。一方で著作権問題や、長期保存のためのコスト、資料の活用促進など課題もある。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.