Twitter関連サービスの終了相次ぐ API利用制限など「Twitterの変化」影響
API利用ガイドラインの厳格化といったTwitterの変化に伴い、老舗クライアントなど国産アプリ・サービスの終了が相次いでいる。
Twitterが8月に発表したAPI利用ガイドラインの厳格化に関連し、国内でも関連サービスの終了が相次いでいる。Java製クライアント「P3:PeraPeraPrv」は厳格化を理由に開発終了を宣言し、国産Twitterクライアントの草分け「Twit」の終了も、Twitterの変化を理由の1つに挙げる。ガイドライン変更は外部開発者にとって厳しい内容で、今後もサービスの中止を判断する開発者や企業が出てくる可能性がある。
Twitは2007年4月に公開され、Windows用の国産Twitterクライアントの草分けとして人気を集めた。開発者のcheebowさんは、同ソフトの開発を終了することを9月3日に宣言。開発にさける時間が少ないことや、さまざまなTwitterクライアントが公開されていることなどを理由に挙げた上で、「Twitterも変わりました」としてTwitterのサードパーティへのAPI利用制限に触れている。
「P3:PeraPeraPrv」は、Twitなどを参考にlynmockさんが作ったクライアントで、07年11月に公開。Javaで開発され、Mac、Linux、Windowsに対応している。lynmockさんは8月28日、開発停止を宣言するブログ記事を公開した。「愛するサービスを支えたい」と5年間開発を続けていたが、「Twitterは立派になり、サード…いえ、サポーターを自ら殺すほどになりました。流石に私もそういった態度に愛という感情で応えることはできません」などと中止の理由を説明している。また、TwitterのAPIガイドライン変更について、「好みのクライアントアプリを選ぶ自由と権利をユーザーから奪った」と批判している。
Twitterに投稿できるWebアプリ「心の底から」の開発者・増永玲さんも9月3日、同サービスを終了した。Twitterの公式Webアプリで表示される投稿クライアント名「●●から」を、「心の底から」にし、まるで心の底からツイートしているように見せることができるサービスだったが、先月28日ごろから公式Webアプリでクライアント名が表示されなくなり、サービスが「ほとんど意味をなさなくなってしまったから」終了を決めたと、ブログで説明している。「特定のプラットフォームに依存している限りそこの仕様変更には抗うことができない。こればっかりは仕方のないことだと思います」とコメントしている。
今回のガイドライン変更は国内外の開発者やユーザーに衝撃を与えた。米国でソーシャル検索エンジンを運営するBottlenoseのCEOは、Twitterのエコシステムをオープンに維持するよう求める嘆願書を公開し、署名を募っている。「P3:PeraPeraPrv」開発者のlynmockさんもブログで、この署名に参加するよう呼びかけている。
関連記事
- 国産Twitterクライアントの草分け「Twit」開発終了
2007年4月に公開された国産Twitterクライアントの草分け「Twit」が開発を終了。 - ツイートの「詳細」からクライアントアプリ表示が消滅 モバイルに続きWebでも
Twitterに投稿されたツイートが、どんなクライアントアプリから投稿したかが分かる「〜から」表示が公式Twitterから消滅した。Display Guidelinesがガイドラインでなく規則になる約半年後には、サードパーティーアプリからも消えることになる。 - Twitter、開発者向けガイドラインとAPI変更について説明 ユーザー数制限など厳しい内容
Twitterが、6月末に予告したAPI利用ガイドラインの厳格化について説明した。ツイート表示の“ガイドライン”は要厳守の“要件”になり、クライアントアプリが擁することのできるユーザー数は10万人まで(例外あり)になる。 - Twitter、サードパーティーによるツイート表示に制限 まずLinkedInで終了
Twitterが“ユーザー体験の一貫性を保つため”サードパーティーによるAPI利用に関するガイドラインを厳格にすると発表した。 - Twitter、「公認製品プログラム」でサードパーティー製アプリを認定
Twitterが、TopsyやHootSuiteなど、企業によるTwitterデータ活用に役立つサードパーティー製アプリを認定するプログラムをスタートした。 - Twitter APIの変更 人気クライアント開発者が「パニックにならないで」
TwitterがAPIとガイドラインを厳格化したことについて、クライアントアプリTweetbotの開発者は、ユーザー数制限がエコシステムに与える影響は小さくないが、Tweetbotの現行ユーザーへの影響はほとんどないと語った。 - Twitter、Instagramへの友人情報提供を取りやめ――LinkedInに続き
TwitterがAPI経由での友人情報へのアクセス許可を取りやめたため、Instagramで「Twitter上の友人」を探せなくなった。 - Twitter、広告ツイートのタイムラインでの表示を禁止
サードパーティーは、広告プログラム「Promoted Tweets」を利用してタイムラインに広告ツイートを表示できなくなる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.