YouTube、近日スタートの有料サービスでインディーズレーベルをブロックへ
Google傘下のYouTubeが近日中にサブスクリプション制の音楽動画ストリーミングサービスをスタートするに当たり、契約更新を拒否したインディーズレーベルの動画をブロックする見込みだ。アデルやアークティック・モンキーズの動画が見られなくなるかもしれない。
米Google傘下のYouTubeが準備中のサブスクリプション制音楽サービスで、一部のインディーズレーベルとの交渉がまとまらず、関連レーベルの動画が近日中にYouTubeから削除される──。米Financial Timesが6月17日(現地時間)、YouTubeのコンテンツ担当副社長、ロバート・キンセル氏やインディーズレーベル側の話としてそう報じた。
YouTubeは現在、ほとんどの大手レーベルやインディーズレーベルとの契約の下、広告付きでミュージックビデオを無料で視聴できるようにしている。こうした従来の方法と並行して提供する新有料サービスでは、定額制で広告表示のないミュージックビデオを視聴できるようになる。
キンセル氏によると、音楽業界の95%を占めるレーベルと新たな条件で契約を更新できており、“新しいプラットフォームのすべてのコンテンツを新契約条項に準拠させるために”、交渉が成立しなかった残り5%に当たるインディーズレーベルの動画を数日中にブロックするという。
新契約を拒否した複数のレーベルによると、YouTubeは弱小レーベルに対して3大レーベル(Universal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner Music)とは異なる条件を提示したという。
近日中にブロックされるアーティストには、アデル、アークティック・モンキーズ、ヴァンパイア・ウィークエンドなども含まれる見込み。
インディーズレーベル協会A2IM会長のリッチ・ベングロフ氏は米Billboardに対し、「Rdio、Spotify、Rhapsody(いずれも米国の音楽ストリーミングサービス)をはじめとする約20のサービスはわれわれを(大手レーベルと)公平に扱ってくれるが、YouTubeは明らかに違う。この件について私はFTC(米連邦取引委員会)に申し立てた」と語った。
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