米音楽市場、急成長のストリーミングがダウンロードを侵食──Nielsen調べ
Nielsenが半期ごとに発表している米音楽市場調査によると、音楽のストリーミング回数は前年同期比50%増加した一方、ダウンロードや物理CDでの音楽購入は減少を続けており、楽曲ダウンロードとストリーミングをアルバムに換算したものも含めた総合的なアルバム販売は3.3%減少した。
米調査会社のNielsenは7月4日(現地時間)、2014年上半期の米音楽市場に関する調査結果を発表した。Spotifyや米Appleが買収したBeats Musicのようなサブスクリプション制音楽配信サービスの普及により、楽曲のストリーミング回数が前年同期比50.1%増の336億5350万回に上った。
米Google傘下のYouTubeなどが提供する音楽ビデオのストリーミングは35.2%増の366億4170万回だった。
一方、米Appleが2003年にスタートしたiTunes Music Store(現iTunes Store)のようなダウンロードによる楽曲販売での楽曲ダウンロード数は13.0%減の5億9360万回、アルバムのダウンロード数は11.6%減の5380万枚だった。音楽のダウンロード販売はスタート以来拡大を続け、2011年には物理メディアを超えたが、昨年上半期に初めて減少し、今回さらに減少幅が拡大した。
物理メディアでのCDアルバム販売枚数は19.6%減の6290万枚だった。
米音楽業界は収益推移を判断する基準として、楽曲ダウンロード販売をアルバムに換算するTEA(10曲ダウンロードを1アルバムに換算)、楽曲ストリーミングをアルバムに換算するSEA(2013年は2000曲ストリーミングを1アルバムに、2014年は1500曲を1アルバムに換算)を採用している(SEAではiTunes RadioやPandoraなどの無料ストリーミングをカウントしない)。
これによると、SEAは前年比89.1%増の4690万枚だった。物理CD、TEA、SEAを合わせた総合的なアルバム販売枚数は2億2710万枚で、前年比3.3%減だった。
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