Facebook、レーベルとの交渉の狙いはYouTube対抗の音楽ビデオか
Facebookが3大レーベルと交渉しているのは、ストリーミングサービスの立ち上げが目的ではなく、ニュースフィード上に音楽ビデオを投稿させ、広告収入を得ることが目的とNew York Timesなどが報じた。
米Facebookが3大レーベルと交渉している狙いはニュースフィードへの音楽ビデオ投稿が狙い──。米New York Timesが7月9日(現地時間)、この件に詳しい4人の匿名の情報筋の話としてそう報じた。
Facebookはレーベルに対し、レーベル側が選んだ限られた本数の音楽ビデオをニュースフィードに投稿するよう求めたという。音楽ビデオによる広告収入はレーベルとFacebookで分配する。
New York Timesによると、Facebookはこの分配比率で、米Google傘下のYouTubeより好条件を提示したという。YouTubeの分配比率は、YouTubeが45%でレーベルは55%だ(The Varietyより)。
Facebookはまた、権利侵害動画の取り締まりを(YouTubeより)厳しくすることも約束したという。
Facebookでは現在、YouTubeで人気の動画をダウンロード・編集して投稿する“フリーブーティング”という行為が横行していると、複数のYouTuberが訴えている。
Facebookは近年、動画に注力しており、2014年通年では1日当たりの動画視聴数は平均10億回以上で、タイムラインに表示される動画数は前年比3.6倍だったと発表している。
Facebookのニュースフィードには多数のYouTube動画へのリンクが表示されるが、これらが再生されても広告収入はYouTubeとレーベルのものになる。レーベルがニュースフィードに直接動画を投稿すればFacebookの収入になる。
同社は最近、複数のメディア企業と提携し、従来のようなメディアのWebページで公開した記事へのリンクではなく、オリジナルのコンテンツを直接ニュースフィードに投稿する取り組み「Instant Articles」を開始した。
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