FacebookへのYouTube動画の無断投稿が横行 人気YouTuberが問題提起
Facebookでは直接投稿された動画が自動再生されることもあり、YouTubeの人気動画を無断でコピーして投稿する「フリーブーティング」が横行していると、複数の人気YouTuberが問題提起している。
YouTubeの人気動画を投稿者に無断でコピーし、Facebookに投稿する行為(「freebooting(フリーブーティング)」と呼ばれる)が横行していると、米オンラインマガジンのSlateが7月8日(現地時間)、複数のYouTuber(多数のチャンネル登録者を持つYouTubeユーザー)への取材に基いてそう報じた。
例えば約280万人が登録する「SmarterEverDay」チャンネルを運営する米アラバマ州在住のデスティン・サンドリン氏は昨年9月、自分の腕に入れ墨をするスローモーション動画を文字通り身を削って録画し、自身のチャンネルに投稿した。この動画は本稿執筆現在までに累計2400万回以上再生されている。
だが、この動画の投稿2日後には、英男性誌「Zoo」のFacebookページがこの動画をFacebookにフリーブーティングし、2日間で180万回再生されたという。
YouTuberは動画広告から収入を得ているため、これは死活問題だ。サンドリン氏はFacebookページも持っており、自身のYouTube動画へのリンクを紹介することでYouTubeにユーザーを誘導してはいるものの、Facebookでは動画リンクはクリックしないと再生されないが、Facebookへの直接投稿であれば自動再生されるので、直接投稿の方が圧倒的に有利だ。
Facebookの投稿動画には今のところ広告は挿入できないので、フリーブーターにとっての直接の収入にはつながらないが、Facebookではユーザーがクリックした動画の表示ランクを上げるなど、動画を優遇しているため、Facebookページのプレゼンス強化になる。
サンドリン氏は1月に公開した「Facebook Freebooting」という問題提起動画(記事末に転載)で、フリーブーティングについて説明し、Facebookに動画の削除を要請した際の顛末も紹介した。Facebookは「知的所有権は非常に重要だと認識している」と応じたが、動画の削除はすぐには行われなかったという。フリーブーティングを自動的に発見する手立てもないため、サンドリン氏は支持者に対し、フリーブーティングを見つけたらスクリーンショットを添えて連絡してほしいと呼び掛けた。
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