次の10億人を見据えて――モバイル環境の多様化に注力するFacebook 日本市場は「未来を考える市場」
Facebook日本版でWeb記事を独自形式で配信する「インスタント記事」、全6種の感情表現ができる「リアクション」の提供が始まる。日間アクティブユーザー数(DAU)が10億人を超えたFacebookが注力するのは、モバイル環境の多様化への対応だ。
Facebookは1月14日、ニュース記事をニュースフィード内で独自形式で配信する「インスタント記事」、「いいね!」以外の絵文字で投稿に反応できる「リアクション」を日本で始めると発表した。米Facebookのクリス・コックス最高製品責任者は、世界的にモバイル向けサービスの需要が高まる中、「日本は未来を考えるにあたって最適な市場」と話す。
Webニュースをリッチに表現「インスタント記事」
昨年5月に海外9社の報道機関とスタートした「インスタント記事」(Instant Articles)は、Webの記事をFacebookアプリ内のニュースフィードでインタラクティブなコンテンツとして表示する機能。Facebookのサーバにコンテンツをアップロードすることで、リッチなコンテンツでありながら、通常記事よりも10倍以上速く読み込むのも特徴だ。拡大可能な写真や動画や音声の自動再生、現在地と連動する地図などと組み合わせ、スマートフォンでの閲覧に特化した形式で配信する。
米国を皮切りに、現在までに350以上のメディアがテストプラグラムに加入しており、昨年末には韓国、インド、台湾などアジアのメディア50以上とも提携。今回加わる日本のメディアは、朝日新聞社、産経デジタル、東洋経済新報社、日本経済新聞社、毎日新聞、読売新聞東京本社――の6社だ。
Facebook Japanの長谷川晋代表は「媒体社側と密に連携し、日本ならではの使い方やファンクションも検討していきたい」と意気込む。提供開始時期は「近日中」としている。
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「超いいね!」「悲しいね」など全6種のリアクション
合わせて、「いいね!」以外の感情を絵文字で示すリアクション機能も日本版に実装した。「いいね!」「超いいね!」「うけるね」「すごいね」「悲しいね」「ひどいね」の全6種類だ。
昨年10月にアイルランドとスペインでテストを始め、日本は世界で6カ国目の提供となる。英語版ではそれぞれ「Like」「Love」「Haha」「Yay」「Wow」「Sad」「Angry」に対応しているようだ。
コックス氏によると、追加ボタン実装にあたっては、Facebookユーザーのコメントを世界規模で分析。言語や地域を問わずよく使われている感情を抽出し、「世界中でユニバーサルに使われている感情表現を選定した」という。携帯電話向けの絵文字を始め、「日本から学んだことの多い機能」とも言う。すでに利用されている各国では「インタラクションやコミュニケーションのクオリティが深まった」という印象を抱いているそうだ。
「次の10億人」を見据えて
「次の10億人を獲得するために」――日間アクティブユーザー数(DAU)が10億人を突破したFacebookが今注力するのは、モバイル向けのアプリやサービスの開発だ。技術の高度な進化だけでなく、端末や通信環境の多様化にいかに対応していくか、先進国に限らず新興国にも目を向けた「次の10億人」のために重要になると語る。昨年1月には2G回線でも使える新興国向け軽量アプリ「Facebook Lite」をリリースしている。
「スマートフォンが普及し、通信環境が整った日本は、モバイル時代の未来を考えるにあたって最適な市場。アプリやブラウザを開いている時間をもっと有意義にするために、単なる写真や動画をどう超えるものをどう提供していくか、人をつなげていくかを考え、提案していければ」(コックス氏)
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