FBI、Googleにもアンロック要請?
AppleのiPhoneで注目された捜査当局によるアンロック要請だが、GoogleのAndroid端末に関しても同様の要請が出されている模様だ。
米カリフォルニア州で起きた銃乱射事件の容疑者が所有していたiPhoneに関して、米連邦捜査局(FBI)が米Appleに対し、OSのバックドアを利用したセキュリティロックの解除(アンロック)を要請した問題は、捜査の必要性とユーザーのプライバシーの権利が対立し、IT業界全体を巻き込む大騒動になった。結局、FBIに協力したイスラエルのサン電子子会社Cellebriteによるアンロックが行われたとみられている。そして、アーカンソー州の殺人事件に関連したiPhone/iPodのアンロックも、同社によって行われた可能性がある。
最初に注目された事件だけでなく、他の例が見つかったということは、さらに多くの事例があるのではないかと考えられる。米国で最も影響力を持つ人権団体であるアメリカ自由人権協会(ACLU)が連邦裁判所に問い合わせたところ、2008年以降、FBIを含む捜査当局から裁判所に令状が請求され認められたものとして、少なくとも63回のアンロック要請があったという。
容疑者が利用するスマートフォンなどの端末は、もちろんiPhoneだけではなく、Googleの提供するAndroid OSを使ったものも含まれる。ACLUによると、Googleに対してもFBIなどの捜査当局から裁判所を通してアンロックが命じられていた。
対象となった事件は、麻薬関連のものが多かったという。こうしたアンロック要請が実行に移されたかどうかは、現在のところ不明だ。
FBIは暗号化されたスマートフォンのアンロックに自信を持ち、全米の法執行機関に支援を申し出ているが、その影響は出てくるだろうか?
関連記事
- FBI、全米法執行機関にiPhoneロック解除支援を申し出る書簡を送付
FBIが全米の法執行機関に対し、事件解決に必要であれば暗号化されたモバイル端末のロック解除を支援するという主旨の書簡を送ったと、この書簡を入手した米Reutersなどが報じた。 - FBI、アーカンソーの事件でもサン電子子会社のiPhoneアンロック技術利用?
サンバーナーディーノのテロで使われたiPhoneのアンロック成功で、州警察の「FBI詣で」が始まったようだ。 - Apple、米司法省の審問中止申請を受け「さらなる議論を続ける」と声明
米司法省がFBIへのAppleの協力が不要になったとして法廷審問の中止を地裁に要請したことを受け、Appleが「今後もセキュリティとプライバシーに関する国家的な議論に参加していく」という声明を発表した。 - テロリストのiPhoneをアンロックしたかもしれないイスラエルの技術とは(動画あり)
「Appleの助けはいらなかった」とFBIが宣言。協力したと思われるイスラエル企業(サン電子が9年前に買収)Cellebriteの技術を動画で見てみよう。 - 米司法省、「ロック解除に成功したのでAppleの助けはもういらない」
テロリストのiPhoneのロック解除ツールをめぐる米連邦政府対Appleの対立で、米司法省が「Appleの助けを借りずにロック解除に成功した」と報告したことで法廷での直接対決が中止になった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.