プロ棋士とコンピュータソフトの将棋対局「第1期 電王戦」の第1局が4月9〜10日に岩手・関山中尊寺で行われ、PONANZAが山崎隆之八段(叡王)に85手で勝利し、先勝した。
「電王戦」と銘打った人間とコンピュータの対局シリーズは5度目。昨年までの団体戦形式ではなく、新棋戦「叡王戦」で優勝した山崎叡王と、コンピュータ将棋ソフト「電王トーナメント」の優勝ソフトPONANZAが2番勝負を行う形式となった。
2日制の対局の1日目からPONANZAが攻め、優勢に。山崎八段は粘りを見せたものの、2日目午後4時31分に投了した。
終局後、山崎八段は「想定から外れた局面で、途中の選択で苦しくしてしまい、その後チャンスを得られず完敗だった」「本来人間の得意分野である大局観を生かせなかった。PONANZAは強いという認識があったので、弱気ではだめだという気持ちになり、自分の判断を信じることができなかったのが1番の敗因。その後も勝負手も的確に抑えられた印象」と話した。
第2局は5月21〜22日に滋賀・比叡山延暦寺で行われる。
ロボットアーム「電王手さん」も進化
コンピュータ側の指し手を盤上に展開するロボットアーム「新電王手さん」は、引き続きデンソーが開発。より人間同士の対局に近付けるべく、対局のテンポを損なわないため、駒を返す「成」をスピードアップ、厳粛な対局場の空気に合わせて限界まで消音する――など昨年よりもさらに進化した様子を見せた。
関連記事
- 新生「第1期 電王戦」は4月に中尊寺、5月に延暦寺で 山崎隆之叡王とPONANZAが対局
山崎隆之叡王とPONANZAによるプロ棋士とコンピュータの対局「第1期 電王戦」が4月9〜10日に関山中尊寺、5月に比叡山延暦寺で行われる。 - ドワンゴ主催の新棋戦は「叡王戦」に 優勝者がコンピュータと対局する新生電王戦 羽生名人は出場せず
ドワンゴ主催の新棋戦の名称が「叡王戦」に決定した。優勝者は来年3月にコンピュータソフトと対局する。羽生善治名人、渡辺明棋王は出場しない。 - AlphaGoの運用料金は30億円以上?
人間の棋士を打ち負かした地上最強AI囲碁ソフトの、サーバ料金を試算してみた。 - 囲碁AI「AlphaGo」勝利は「衝撃的な結果」「棋士になって1番ショック」――プロ棋士や開発者の反応は
Googleの開発する囲碁AI「AlphaGo」が世界トッププロに勝利を収めた。「衝撃的な結果」「歴史に残る日」――日本のプロ棋士や開発者の反応をまとめた。 - AlphaGo、4勝1敗で勝ち越し 最終局も李氏に勝利
囲碁AI「AlphaGo」と李世ドル九段の第5局が行われ、AlphaGoが勝利した。 - プロ棋士VS.コンピュータ「第1期将棋電王戦」来春に 現役プロ棋士から“人類代表”を選ぶ新棋戦を新設
プロ棋士とコンピュータの対局「第1期将棋電王戦」が来春開催決定。これまでの団体戦方式ではなく、ドワンゴが新設する棋戦の優勝者とコンピュータソフトが対局する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.