Facebook、VR動画向け空間音声スイート「Facebook 360 Spatial Workstation」を無償公開
Facebookが、360度VR動画向け空間音声サウンドトラック作成ツールを手掛ける英Two Big Earsを買収し、同社のソフトウェアスイートを「Facebook 360 Spatial Workstation」として無償公開した。Oculus以外のプラットフォームもサポートする見込みだ。
米Facebookは5月23日(現地時間)、360度動画やVRコンテンツ向け空間音声作成ソフトウェアスイート「Facebook 360 Spatial Workstation」を無償で公開したと発表した。専用ページで登録すれば、誰でもダウンロードできる。
Facebook 360 Spatial Workstationは、普及している複数のオーディオワークステーション向けプラグイン、360度動画と同期するプレーヤー、様々なフォーマットの空間音声を設計・公開するためのユーティリティーなどで構成される。
Spatial Workstationは、Facebookが同日買収したと発表した英新興企業Two Big Earsがこれまでは有料で販売していた、3Dのサウンドトラックを設計するソフトウェアスイート。
Two Big Earsは、ビヨークがYouTubeで公開した360度パノラマミュージックビデオに技術協力した企業だ。Facebook傘下で今後もVRおよびAR(拡張現実)向けのサウンド技術を開発・提供していくとしている。
Q&Aによると、Facebook傘下になってもTwo Big Earsのミッションは「VRを成功させること」であり、「プラットフォームや端末にとらわれない技術を提供していく」という。
オリジナルのスイートはWindows、OS X、Android、iOS、HTML 5のクロスプラットフォームだったが、FacebookはまずはOS X版(10.7以降)のみを公開した。Windows版も近い将来公開する予定だ。SDKも“間もなく”公開するとしている。
レンダリングツールの「3Dception for Games」の単体製品としての提供は終了し、Oculus Riftに統合する。有料版のユーザーへのサポートは向こう12カ月は継続する。
関連記事
- サンキューOculus、日本だとインストールが早く終わるよ!
Oculus Rift製品版を体験していくゆるい連載の2回目は、PCをなんとか間に合わせてセットアップするところまで。 - YouTube、360度ライブストリーミングをサポート “空間音声”で臨場感アップ
Google傘下のYouTubeが、360度動画によるライブストリーミング機能と、360度動画のサウンドも3Dにする「空間音声」機能を追加した。コーチェラ・フェスティバルが360度ライブ配信を行う計画だ。 - 「Oculus Rift」出荷開始 専用ストア以外でもコンテンツ購入が可能に
VR HMDの「Oculus Rift」製品版の出荷が始まった。早期に予約したユーザーの元には今週中に届く見込みだ。新しいSDKもリリースされた。開発者はOculus Store以外でもアプリを販売できる。 - Oculus、コントローラー「Touch」の発売を下半期に延期(Riftは予定通り間もなく予約開始)
間もなく予約受付がスタートするVR HMDの「Oculus Rift」専用コントローラー「Oculus Touch」の提供時期が、7月以降に延期された。 - ビョーク、360度パノラマミュージックビデオをYouTubeで公開
先端技術を積極的に取り入れるアーティストのビョークが、自作曲のミュージックビデオを360度パノラマで製作し、YouTubeで公開した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.