Facebook、「ライブ動画」非表示のガイドラインを説明──黒人射殺動画を残した理由も
白人警官の黒人射殺ライブ動画が物議を醸す中、Facebookがライブ動画のガイドラインについて説明した。同じ暴力シーンを含むコンテンツでも、目的によっては削除しないとしている。
米Facebookは7月8日(現地時間)、「ライブ動画」のガイドラインについて説明した。前日の黒人男性射殺のライブ動画を含む、ここ最近の物議を醸した投稿を受けたものだ。
問題になったライブ動画は、黒人男性のフィランド・カスティリヤさんが車を運転中、白人警官に停車させられ、射殺された様子を、同乗していたガールフレンドがライブ動画で配信したというものだ。この動画は投稿後一時非表示になったが、現在は「過激な描写が含まれる動画」という注意書き付きで公開されている。
ライブ動画は、米TwitterのPeriscopeと同様に、スマートフォンがあれば誰でも簡単にライブ配信できる機能だ。
Facebookは「ライブ動画は、世界中で起きている出来事をそのまま見せてくれる。友達の人生の最高の瞬間を見られると同時に、最悪の場面にも直面する可能性がある。ライブ動画は、危機に直面した時、事件を記録したり助けを求めるための強力なツールにもなり得る」としている。
だが、ライブ動画はその性格上、多くの問題をはらんでいるため、Facebookは責任ある取り組み方を模索しているとしている。その1つは、ユーザーが問題のあるライブ動画を簡単に報告できるようにし、24時間体制で人間のチームがそうした報告にすぐ対処できるようにしていることという。このチームは、報告されたライブ動画がコミュニティ規定に反すると判断した場合、配信中あるいは配信後のコンテンツを削除する権利を持つ。
コミュニティ規定が判断基準になるとはいえ、暴力シーンを含む動画についての判定は難しい。そういう場合は「コンテキストと(過激さの)程度がすべて」という。例えば、同じ銃殺シーンでも、配信目的が注意喚起や狙撃者を見つけることであれば残し、犠牲者を嘲笑したり犯罪を賞賛することであれば削除する。
「ライブ動画は始まったばかりで成長中のサービスだ。われわれはここ数カ月で多くを学んだ。今後もライブ動画を改善していく」
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ユーザーから寄せられた報告は24時間態勢で処理に当たり、ポリシーに違反していると判断した場合は問題コンテンツを削除する。アカウントを停止したり、捜査当局に通報したりすることもあるという。
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