リオ五輪のかっこいい卓球台は「日本の技術の集大成」 ソニー出身のデザイナーが手がける
流線型の脚が目を引くリオ五輪の卓球台は日本製だ。デザインはソニー出身の澄川伸一氏が担当。木製の脚部には東日本大震災の被災地の木材を使い、天童木工が制作した。
リオデジャネイロ五輪で、卓球男子団体の日本チームがメダルを確定させるなど卓球競技が盛り上がる中、卓球台のデザインにも注目が集まっている。脚部が「X」型で、流線型の重厚感のあるつくりが「かっこいい」と話題だ。
この卓球台の名称は「Infinity(無限=∞)」。日本のメーカー三英(千葉県流山市)が開発したものだ。ウォークマンのデザインなども手がけたソニー出身のプロダクトデザイナー・澄川伸一氏がデザインを担当。木製の脚部には東日本大震災で被災した岩手県宮古市産の木材を採用し、高級家具メーカーの天童木工(山形県天童市)が制作を手がけた。
三英の三浦慎社長のインタビュー記事(PDF)によると、和のテイストとブラジルらしさを融合し、東日本大震災被災地の復興への思いを込めて制作したという。合板で複雑なデザインを実現するため、高い技術を持つ天童木工に制作を依頼したことなども明かしている。
デザイナーに澄川氏を起用したのは、曲面を巧みに使った斬新なデザインを期待したため。澄川氏は自身のFacebookで、「2年ほど前にデザインの依頼を受け、その1か月後には3Dプリンタで基本構造を提案した」と振り返っている。
脚部のデザインにあたっては、「観客側からは造形的な躍動感を演出するが、選手側からは、可能な限り造形が視界に入らないようシンプル壁構造で、試合に集中できるよう設計した」という。曲線のバランスや板厚などの微調整に膨大な工数がかかっていることも明かし、「三英の優秀な設計技術、天板製造のノウハウをベースとして、まとめ上げられた、日本の技術の集大成の卓球台」だと自賛している。
三英はFacebookで、リオ五輪の卓球競技の様子を現地からリポート。日本選手の試合の模様だけでなく、卓球台の調整やレイアウト変更の様子など、卓球台メーカーならではの視点で報告している。
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