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木星の衛星「エウロパ」で水蒸気が噴出、「海」の成分解明へ NASAが発表
木星の衛星「エウロパ」の表面から水蒸気が噴出している可能性があるとNASAが発表。エウロパの表面下に液体の水の「海」があることを裏付けるものだ。
NASA(米航空宇宙局)は9月26日(米国時間)、木星の衛星「エウロパ」の表面から水蒸気が噴出している可能性があると発表した。エウロパの表面下には液体の水が存在する――との説を裏付けるもので、地球外生命の探査が進むかもしれない。
エウロパは木星の第2衛星で、その表面が氷に覆われている。木星の潮汐力を受け、星の内部が熱くなることで、地殻下では氷が解け、液体の水が「海」のように広がっている可能性がある――と以前から指摘されていた。NASAによれば、エウロパ内部には地球の2倍の量の水を有する海が存在するという。液体の水は地球外生命が存在する条件の1つとされるが、エウロパ表面の氷の層は不明なほど厚いもので、ドリルで掘り下げる以外の方法でその成分を調べることは難しかった。
研究チームがハッブル宇宙望遠鏡を利用し、15カ月にわたってエウロパを観測したところ、表面から水蒸気が噴出している様子を3回確認したという。吹き上がる水蒸気の柱は約200キロに及び、地表に降り注いでいるという。
NASAは、2020年代にエウロパへ探査機を派遣する計画「エウロパ・クリッパー」を予定している。探査機を使って水蒸気の噴出を直接観測し、エウロパの表面下に広がる「海」の成分をサンプリングできれば、地球外生命をめぐる探査が進展する可能性がある。
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