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FacebookのザッカーバーグCEO、“虚偽ニュース”対策について説明
Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが、ニュースフィードに表示される虚偽ニュース対策について再び語った。「何が真実かの判断をユーザーと信頼できる第三者に頼りたい」として、報告機能の強化や事実検証組織との協力を進めていくという。
米大統領選の結果が大方の予想に反したのにはFacebook上に流れた虚偽ニュースの影響が大きいとする批判が高まる中、米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは11月19日(現地時間)、社内で取り組んでいる虚偽ニュース対策について自身のFacebookアカウントで説明した。
同氏は14日にもこの問題について語ったが、その後Facebookの一部の従業員が秘密裏に虚偽ニュース対策のタスクフォースを結成したと報じられた。また、バラク・オバマ米大統領が17日、「Facebookページやテレビで正しい情報と区別がつかないようにうまく仕上げられた偽情報が流れる今の時代、われわれは何と戦っているのか分からなくなる」と名指しで懸念を表明した。
ザッカーバーグ氏は「虚偽ニュース問題を真剣に受け止めている」と繰り返し、「この問題は、技術的にも哲学的にも複雑だ。われわれは人々に発言の場を提供することの意義を信じているので、ユーザーがシェアしようとすることを尊重し過ぎて失敗する傾向がある。意見のシェアを妨げないよう、正確なコンテンツを誤って規制しないよう注意する必要がある。われわれは真実の審判者にはなりたくない。むしろ、(何が真実かの判断を)ユーザーのコミュニティと信頼できる第三者に頼りたい」と語った。
その上で、現在進めている取り組みを箇条書きで説明した。
- 虚偽ニュース分類能力の強化:ユーザーからの報告前に、虚偽フラグを立てるシステムを開発中
- ユーザー向け報告ツールの簡易化
- 第三者による検査:既存の事実検証組織に連絡し、協力を求めている
- 警告表示:虚偽フラグが建てられた記事をユーザーが読んだりシェアしようとすると警告を表示するシステムを開発中
- 「関連する記事」の品質レベル厳格化
- 虚偽ニュース経済の阻止(発表済み):「Facebook Audience Network」での虚偽ニュース記事の掲載を停止した
- メディアやジャーナリストとの協力:特に事実検証システムについて学ぶ
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