Facebook、虚偽ニュース対策で「Journalism Project」立ち上げ
“虚偽ニュース”拡散問題で批判されているFacebookが、ニュース品質向上と虚偽ニュース削減のためのユーザーリテラシー向上を目的としたイニシアチブ「Journalism Project」を立ち上げた。
米Facebookは1月11日(現地時間)、ニュースメディアと密に協力し、“健全なニュースエコシステム”構築と“ジャーナリズムの向上”を目的とするイニシアチブ「Journalism Project」を立ち上げたと発表した。
このイニシアチブの3本柱は、1)メディアパートナーと信頼性の高いニュース記事提供で協力する、2)ジャーナリスト向けの情報収集や正確な記事を書くためのトレーニングやツールの提供、3)一般ユーザー向けのニュースリテラシー向上教育(虚偽ニュースの見分けかたなど)。
まずは米Washington Postや米Vox Mediaがパートナーとしてこのイニシアチブに参加した。1つ目の柱に関連して、同社はFacebookページオーナー向けに新たなライブ動画ツールを発表した(別記事)。
同社は、先の米大統領選の結果にサービス上で拡散した虚偽ニュースで影響を与えたとして批判され、その対策に取り組んでいるとしていた。このプロジェクトはその一環とみられる。
Facebook自身はニュースメディアではないが、ニュースフィードに表示する記事投稿のランクは同社が開発するアルゴリズムに基いているため、メディアエコシステムに与える影響は大きい。
Facebookはこれまで、同社はテクノロジー企業であり、メディアではないとしてきたが、年末には“従来のどんなものとも異なる新種のプラットフォームだ”と再定義した。
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