Snapの初業績発表 DAUは1億6000万人でInstagramストーリーに届かず
エヴァン・シュピーゲルCEOは業績発表後の電話会見で「Facebookを脅威だと思うか」という質問に笑い声を上げ、「優れた製品を作れば真似をする人がいるものだ」と語った。
ソーシャルアプリ「Snapchat」を手掛ける米Snapは5月10日(現地時間)、上場以来初になる第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。
売上高は前年同期比286%増の1億4965万ドルと急増したが、上場にともなう従業員への株式型報酬の費用などが響き、22億884万ドルの赤字だった。前年同期は1億458万ドルの赤字だった。
売上高はアナリスト予測の1億5800万ドルを下回り、同社の株価は一時20%以上急落した。
注目の日間アクティブユーザー数(DAU)は前年同期比36%増、前期比でも5%増の1億6600万人。米Facebook傘下のInstagramがSnapchatの機能を真似た「ストーリー」を追加した2016年第2四半期からDAUの伸び率は鈍化している。InstagramストーリーのDAUは4月の時点で2億人と発表されている。
ユーザー1人当たりの平均売上高(ARPU)は181%増の0.90ドル。Facebookの同四半期のARPUは4.23ドルだった。
業績発表後の電話会見は、エヴァン・シュピーゲルCEO、イムラン・カーンCSO(最高戦略責任者)、ドリュー・ヴォレロCFO(最高財務責任者)の3人が担当した。
シュピーゲル氏は電話会見で、1日当たり30億件のメッセージが投稿されており、同社の広告インプレッションの20%は広告APIからのものであることなどを語った。
同氏はユーザー獲得のための戦略についての質問に対し、「グロースハッキング」は長期的に見て効果がないので極力避けていると語った。成長のためにはむしろ、メッセージの共有をしやすく、シンプルにすることが重要だと考えているという。
Facebookを脅威に感じているかという質問に対し、シュピーゲル氏は笑い声を上げ、「優れた製品を作ればそれを真似する人々がいるものだ。たぶんこぞってカメラ戦略に着手するだろう」と語った。
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