UberのカラニックCEO、期間未定の休職へ
セクハラ問題発覚後、社外に内部調査を依頼したUberがその結果報告および改善案を全社会議で発表する前に、トラヴィス・カラニックCEOが休職を宣言した。
米Uberのトラヴィス・カラニックCEOは6月13日(現地時間)、全社の従業員宛のメールでしばらく休職すると発表した。このメールを入手した米Recodeが同日、メール全文を添えてそう報じた。
カラニック氏は、5月27日に事故で亡くなった母親を悼むためにしばらく仕事を離れると書いた。この事故で、カラニック氏の父親も重傷を負い、現在入院中だ。復帰の予定については分からないとしている。
Uberでは同日、セクハラを放置した企業体質を元従業員に暴露された後に弁護士事務所に依頼していた社内問題調査の結果に基づく改善案が全社会議で開示された。カラニック氏のメールはその全社会議の直前に配信された。
PDFとして公開された13ページにわたる改善案は、11日に取締役会が全会一致で受け入れたものだ。
改善案では、カラニック氏の権限を縮小し、他の幹部に分散させるよう提案している。同社は現在、COO(最高執行責任者)を探しており、このCOOはUberの運営、企業文化、体制を担うべきだとしている。その他、従業員の教育プランや、社内でのガイドラインの厳格化などが提案されている。
カラニック氏はメールでこの改革を「Uber 2.0」と表現し、「Uber 2.0を成功させるためには、私が幹部チーム構築に自分の時間を捧げることが最も重要だ。だが、そのためには私がUberに必要とされ、従業員の皆にふさわしいリーダーになるための“トラヴィス 2.0”も必要だ」とし、「そのためのタイムラインを決めるのは難しい。思ったより短いかもしれないし、長いかもしれない」と書いた。
「私の不在の間、Uberのミッションのために皆さんの仕事に専念してほしい。“ピープルファースト”は母が私に遺してくれた思想だ」(カラニック氏)
同社のライアン・ホルンシーCHRO(最高人事責任者)は発表文で「報告書の提案を実践することで、過去の過ちが二度と繰り返されないプロセスとシステムを構築できるだろう。改革は簡単には終わらないだろうが、われわれは従業員、乗客、ドライバーの信頼を取り戻すことに注力する」と語った。
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