「Windows 10」に視線追跡機能搭載へ──ALS患者支援チームが開発
Microsoftが、Windows Insider Programの次期Windows 10ビルドに、視線追跡機能「Eye Control」を追加する。Tobiiのアイトラッキング端末で、目の動きだけでWindowsの操作が可能になる。
米Microsoftは8月1日(現地時間)、「Windows 10」のWindows Insiderの次のビルド(早ければ2日にリリースの予定)に、視線追跡機能「Eye Control」を追加すると発表した。
Eye Controlは、障害のある人々が、Windows 10で画面上のマウス、キーボード、テキスト読み上げ機能を視線だけで操作するための視線追跡ツールを提供するという。
2014年の社内ハッカソンでALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う元NFL選手、スティーブ・グリーソン氏と協力してSurfaceを利用する入力システムを開発した「Ability Eye Gaze」チームが推進してきた。
「3年前にMicrosoftに障害者が生産的で目的意識を持てるような革新的な技術プログラムの開発を支援してほしいと依頼したとき、彼らはすぐに同意してくれた。当時はそうした技術がWindows 10全体で使えるようになるとは夢にも思わなかったよ」(グリーソン氏)
まずは視線追跡ツールメーカーのスウェーデンTobiiの「Tobii Eye Tracker 4C」がこの技術をサポートする。Eye Controlを試すには、Windows 10の次期InsiderビルドとTobii Eye Tracker 4C(価格は149ユーロ)が必要だ。Tobii Eye Tracker 4Cは既に「Windows Hello」に対応している。
正式版のWindows 10にこの機能が搭載される時期はまだ不明だ。
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