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再参入する中国版「モンスト」 ミクシィ森田社長の勝算は

ミクシィの森田社長が、中国市場に再参入する主力スマホゲーム「モンスト」について、日本とほぼ同様の内容で提供すると語った。

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 「中国版モンストは日本と同じ、身近な人とやるものとして提供していきたい」――8月8日の決算説明会で、ミクシィの森田仁基社長はそう話した。長い間収益の柱となってきたスマートフォンゲーム「モンスターストライク」(モンスト)だが、海外進出は苦戦が続いている。2017年7月に中国版の復活を発表したが、その勝算は。

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「モンスターストライク」

 同日に発表した2017年4〜6月期の連結業績は、売上高が前年同期比1.9%増の482億2900万円、営業利益が0.4%増の202億900万円とほぼ同水準。前四半期と比べると減収減益だが「新事業への投資やモンストのイベントのタイミングによるもの。特に心配はしていない」(森田社長)という。

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連結損益計算書(決算説明会資料より)
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売上高の四半期推移

 主力タイトルのモンストは、17年1月に全世界ユーザーが累計4000万人を突破。国内アクティブユーザー数も「過去最高を記録した」と発表する一方、15年8月に中国版、16年11月に韓国版がサービスを終了。17年8月には北米版も終了予定と、海外展開は苦戦が続く。

 そんな中、17年7月に発表した中国への再参入。森田社長は改めて「今回は、日本とほぼ同じシステムで提供する」と強調する。

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森田社長

 「(前に配信していた)中国版は、オンラインで顔の見えない相手と遊ぶ仕様になっており、モンストのコアバリューである、身近な友達と遊ぶことができなかった。今回は、日本と同じように、身近な人と遊べるものとして提供し、口コミ効果を狙いユーザーを獲得していきたい」(森田社長)

 新規ユーザーはもちろん、「かつての中国版」の離脱ユーザーの取り込みも狙うという。「中国版終了後も、日本のモンストはアップデートを続けている。しっかりと触れてもらえれば、楽しんでいただけると考えている」。配信時期については、「確定していないが、近日中を予定している」とした。

 日本国内ではゲームとリアルを連動したイベント、実店舗やオンラインストアでのグッズ販売など、ゲーム外の展開に今後も力を入れていくという。また、6月に提供を開始した新タイトル「ファイトリーグ」については、「まだまだ課題のあるサービス。秋以降数字を見ながら、プロモーションを展開していきたい」とした。

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実店舗とオンライン店舗

 メディアプラットフォーム事業は成長幅が大きく、売上高が32億4700万円(前年同期比2.2%減)で、利益が3億400万円(同168.7%増)。15年3月に買収した「チケットキャンプ」の成長と、子会社だったミューズコーの連結解除が収益を後押ししたという。

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事業別利益

 森田社長は「モンスト内外で、新しい施策にも日々打ち込んでいる」「家族アルバムみてねやノハナといった新規事業も徐々に貢献してきているので、こちらもしっかりと売上を伸ばしていきたい」とした。

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