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iPhone部品製造のCatcher工場で労働基準違反や公害──CLWが指摘
米AppleのiPhoneやMacBookなどの部品製造を請け負う台湾Catcher Technologyの中国の工場で、超過労働や公害などの問題が発生していると労働権利団体のChina Labor Watchが調査結果を発表した。
米AppleのiPhoneやMacBookなどの部品製造を請け負う台湾Catcher Technology(可成科技)の中国宿遷市の工場で、超過労働や労働の安全性、公害など、多様な問題が発生している──。米ニューヨークに拠点を置く労働権利団体のChina Labor Watch(CLW、中国労工観察)が1月16日(現地時間)、潜入調査の結果を報告した。
主にApple製品の部品を製造している宿遷市の工場に労働者として潜入し、1カ月働いたCLWのメンバーは体調不良になったという。部品製造で本来必要な安全ゴーグルが支給されないため、金属粒子やケミカル剤が目に入った。また、有毒物質を含む排水を講習下水道に直接排出していることも明らかになったとしている。
米Bloombergの同日の報道によると、Apple広報担当者は、この報告を受けて同工場の労働者150人を対象とした聞き取り調査を行ったが法規に違反する問題は見つからなかったと語ったという。
Appleのサプライヤーでの労働状況についてはしばしば問題になっている。昨年11月には台湾Foxconnの工場で、複数の高校生インターンが「iPhone X」の製造ラインで超過労働していたことが発覚した。
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