Apple、“雑誌のNetflix”サービスTextureを買収 「高品質なジャーナリズムにコミット」
Appleが、200誌以上のオンライン雑誌を購読できるサービスTextureを買収する。エディ・キュー上級副社長はSXSWで、Textureを「Apple News」(日本非公開の公式アプリ)に取り込むと語った。
米Appleは3月12日(現地時間)、定額制オンライン雑誌配信サービスの米Textureを買収することで合意に達したと発表した。買収総額などの詳細は公表されていない。
Appleのインターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長、エディ・キュー氏は発表文で「Appleは、信頼できる情報源からの高品質なジャーナリズムと、雑誌が読者のために美しくデザインされた魅力ある記事を創造し続けられるようにすることにコミットしている」と語った。
Texture(旧Next Issue Media)は2009年に出版大手や投資会社(Conde Nast、KKR、Hearst Magazines、Meredith、News Corp、Rogers Media、Time Inc.)が出資して立ち上げたカリフォルニア州メンロパークに拠点を置く非公開企業。
TIME、Newsweek、Forbes、Variety、ELLE、National Gerografphicなどを含む世界200誌以上のオンライン版雑誌を月額9.99ドルで購読できる“雑誌のNetflix”とも呼ばれる配信サービス。iOSアプリだけでなく、Android、Amazon Kindleなどでも利用できる。
発表文では、買収完了後に現行アプリをどうするかについては言及されていない。キュー氏は同日、米テキサス州オースティンで開催の「SXSW 2018」のイベントに登壇した際、この買収について触れ、TextureはiPadユーザーに人気があり、「これをApple Newsに取り入れることを本当に楽しみにしている」と語った(The Hollywood Reporterより)。
Apple Newsは現在は米英豪でのみ提供している同社のニュース閲覧アプリ。ユーザーの関心に応じたニュース記事を配信するというもの。米Facebookや米Twitterが虚偽ニュース拡散で批判される中、AppleはこのアプリにTextureの記事を取り込むことで、高品質な記事提供にコミットするということのようだ。
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