Facebook、ロシア疑惑関連アカウントとページを合計273件削除したと報告
米大統領選でのロシア介入問題で批判されているFacebookが、ロシアプロパガンダ企業IRAのFacebookとInstagramのアカウントと、Facebookページを合わせて273件削除したと発表した。
米Facebookは4月3日(現地時間)、米大統領選へのロシア政府介入疑惑対策の1つとして、ロシアのプロパガンダ企業Internet Research Agency(IRA)に関係のある多数のアカウントを削除したと発表した。
70件のFacebookアカウント、65件のInstagramアカウント、138件のFacebookページを削除した。これらのページが出していた大量の広告も削除した。ページのコンテンツの95%はロシア語で、対象はロシア人だったという。あるページは108万人のフォロワーが、あるInstagramアカウントは49万3000人のフォロワーがいた。これらのアカウントは合わせて16万700(約1800万円)ドルを広告に費やしていたという。
同社は「IRAは2016年の米大統領選以外でも、不正なアカウントの複雑なネットワークを使って何度もFacebook上の人々を欺き、操作していた。(中略)今回のアカウント削除は、そのコンテンツ(に問題があるかどうか)ではなく、IRAに関連しているかどうかを判断基準にした」と説明した。
サンプルとして紹介されたページの投稿や広告は、すべてロシアに関するものだ。
マーク・ザッカーバーグCEOは自身のFacebookアカウントで「セキュリティは、完全に解決できる問題ではない。IRAのような組織は進化し続けるだろう。われわれは、特に選挙の健全性を保つために、今後もセキュリティ技術を改善していく」と語った。
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