Facebook、「米大統領選でのロシアによる不正広告は1000万人が見た」
ロシアが米大統領選で国民の意見対立を目的として展開したFacebook上の広告は、約1000万人のユーザーの目に触れたとFacebookが発表した。
米Facebookは10月2日(現地時間)、米大統領選へのロシアの関与に関連する独自調査の結果を報告した。先月7日の報告に続き、ロシア政府が関連したとみられるサービス上で拡散された広告についてのものだ。
前回は、2015年6月〜2017年5月の2年間に、約470件のロシア政府に繋がる可能性のある不正なアカウントおよびFacebookページに関連する約10万ドル(約1100万円)の広告費が、約3000件の広告に費やされたと報告した。
これらの広告のすべてがFacebookの広告規約に違反するわけではないが、LGBT、人種、移民、銃刀保持など、米国で意見が対立しやすい社会問題を扱っているものだった。多数の広告が、ロシア政府につながるFacebookページのフォローを促していた。これらのページをフォローしたユーザーのニュースフィードには、ページが意図した情報が多く表示されることになる。
調査によって、これらの広告は約1000万人のユーザーの目に触れたことが分かった。広告の44%は2016年11月8日の投票日の前に見られたという。
Facebookはこうした不正広告を防げなかった原因として、1日当たり800万人以上が広告について報告しており、人によるレビュー能力を超えていること(同社は増員を約束している)、多くの広告が広告自体は規約に沿った巧妙なものであることを挙げた。同じ広告でも「広告とターゲティング対象の組み合わせによって有害になることもある」としている。
同社は、レビュー人員の増員、広告の透明性強化、広告ポリシーの厳格化、社外組織との協力などの対策に取り組んでいると語った。
ただし、言論の自由を尊重するので、サービス上での政治的な発言を規制したりするようなことはしないと強調した。
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