Uber、アプリの緊急ボタンやドライバーの年次適格審査など、多数の安全対策
Uberが、乗客の安全強化のために、アプリからの911(米国の110番)通報や信頼できる人への自動通知機能の追加や、ドライバーの年次適格審査の実施などを発表した。
米Uberは4月12日(現地時間)、乗客の安全を守るための多数の施策を発表した。ライダー(乗客)向けアプリの新機能や、ドライバーの適格審査の強化などだ。いずれも今夏に米国で実施する。
ライダー向けアプリの主な新機能
911(日本の110番に当たる)ボタン
後述の「Safty Center」内に、1タップで911通報できるボタンを設置。このボタンをタップして通報した時点で、自分のリアルタイムの位置情報や乗っている車の車種やナンバーも自動的に警察に届く。
「Trusted Contacts(信頼できる連絡先)」
Uberに乗車するたびに移動経過をプッシュ通知する相手を5人まで設定できる「Trusted Contacts」。ファミリープラン「Family Profiles」の「Trip Tracker」を一般プランでも使えるようにしたかたちだ。夜だけ通知する設定も可能だ。
ホーム画面に「Safety Center」
Uberの安全対策についての説明がまとめられた「Safety Center」へのリンクがホーム画面に表示される。
ドライバーの適格審査の強化
Uberのドライバー(従業員ではない)登録には各種書類提出が必要で、当局が雇用で義務付けるスクリーニングは行っているが、さらに、毎年犯罪歴と車の再審査を行い、公文書のチェックを実施する。
安全諮問委員会の会長に元国土安全保障長官
2014年にインドで起きたドライバーによる乗客のレイプ事件を受けて2015年に立ち上げた安全諮問委員会に、オバマ政権で米国土安全保障長官を務めたジェイ・ジョンソン氏を迎えた。
同社のダラ・コスロシャヒCEOは公式ブログで、「テクノロジーにより、サービスはこれまでになく安全になる。Uberは安全について大きく前進しが、今後さらに強化していく」と語った。
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