Uber、愛する人のためにリモート配車できる機能スタート
企業イメージ回復に注力するUberが、ユーザーが自分以外の、例えば1人暮らしの母親の通院のためなどに遠隔から配車できる機能を公式アプリに追加した。
米Uberは6月27日(現地時間)、ユーザーが現在地以外にいる自分以外の人のために配車できる新機能を追加したと発表した。まずは米国で同日提供を開始した。
ユーザーはアプリで、自分以外の、例えば1人暮らしの母親の自宅から病院までの配車をリモートで手配できる。母親がスマートフォンを持っていなくても利用可能だ。料金はユーザーのアプリから引き落とされる。離れて暮らす家族のサポートの他、遠方から訪ねてくる知人を迎えるときなどに便利そうだ。
配車画面で現在地以外のピックアップ場所を選ぶと、本人以外の誰かをライダー(乗客)として指定できる選択ボタンが表示される。これをタップすると、ユーザーの端末に登録されている連絡先一覧が開き、ここから乗客を選ぶ。ユーザーはあらかじめ自分の連絡先をUberアプリと連係させておく必要がある。
乗客が携帯電話あるいはスマートフォンを持っていれば、乗客にUberから迎車についての連絡がテキストメッセージが届く。また、乗客はドライバーとテキストメッセージで直接やりとりできる。乗客の電話番号がドライバーに開示されることはない。
Uberはこのところ、セクハラ問題や地域当局に対するごまかし、Waymoとの訴訟などで大きくイメージを落としており、21日には創業者のトラビス・カラニックCEOが辞任した。21日には同社にとって貴重なリソースであるドライバーの待遇改善に結びつくチップ制度の導入を発表した。
今回の発表文の導入は乗客のレイプ問題が発生したインドの若いユーザーが年老いた母親のためにこうした機能を求めているというエピソードで始まっている。
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