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書籍全文検索、著作者の許諾不要に 改正著作権法、来年1月施行へ
書籍の全文検索サービス向けに書籍をデータ化する際、著作者の許諾なく行えるようにするなどの権利制限規定を盛り込んだ改正著作権法が参議院本会議で可決・成立した。
書籍の全文検索サービス向けに書籍をデータ化する際、著作者の許諾なく行えるようにするなどの権利制限規定を盛り込んだ改正著作権法が5月18日、参議院本会議で可決・成立した。来年1月に施行する。改正法の概要や条文、新旧対照表が21日、文部科学省のWebサイトで公開された。
改正著作権法では、デジタル化・ネットワーク化に対応した柔軟な権利制限規定を整備。書籍情報の全文検索サービスや、論文の盗用検証サービスなど、著作物市場に悪影響を及ぼさないサービスの構築ための著作物の利用について、著作者の許諾なく行えるようにする規程を盛り込んだ。
また、学校の授業や予習・復習用に教師が他人の著作物を使って作成した教材を生徒の端末にネット送信する場合は、補償金を支払えば許諾不要で行えるようにする規程も盛り込まれている。
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